ブルベのすべて

書籍紹介

ブルベとはロングライドサイクルイベントの名称。200km~1200kmそれ以上と距離によるカテゴリがあり、決められたコースを決められた時間内に走り、必要な走行証明を提出することによって完走認定を受け、希望すればその証となるメダルを買うことが出来る。日本でブルベと言えば、はACP(オダックス・クラブ・パリジャン)というフランスの自転車クラブが開催するBRM(ブルベ・ド・ランドヌール・モンディオ)という走行会を指し、その活動はAJ(オダックス・ジャパン)という非営利団体が実施している。上記サイトのリンクを見ると開催団体は国内に23ほどあるようだ。

ブルベの走行距離と制限時間
200km 13.5時間
300km 20時間
400km 27時間
600km 40時間
1000km 75時間
1200km 90時間

どれも平均時速にすると15km/h程度で楽勝?と思えたのだがスタートしてからゴールするまでの休憩や睡眠時間など全て込みの時間であり、ルート上にはヒルクライムが設定されることも多く絶妙な時間設定のようである。ツールド能登やツールド東北などのサイクルイベントとは異なり、1回の参加者数は20~30人程度と極めて小規模、参加費は1500円と低額。これは非営利団体の開催で担当者もボランティアであるが故。よって走行時のトラブルは全て参加者の自己解決が求められ、エイドが無いのは勿論、コース案内人が立つこともない(事前にルートが公開される)。

自転車関連のFBやツイッタを見ていてたまに登場する「ブルベ」という単語。これは何?と興味をもったのが本書を読んだきっかけである。350ページのボリュームで200km~超ロングまで、ルールや心構え、持参装備、服装、時間管理の重要性、トラブル対処方法、練習方法、海外のブルベなど、筆者経験からのノウハウが盛り沢山。ブルベの魅力(と感じる人は少ないかもしれないが)が凝縮し私はすぐにブルベに参加したいと思ってしまった^^ ロングライドのハウツー本としても手元に置くとよい1冊と思う。

感想
・ブルベを成功させるためのポイントは
出来る限り有効的、効率的、合理的に時間を使う
休憩回数は少なく、休憩時間は短くが重要(スピードを出して多く休むは非効率。脚の負担も大きくなる)
睡魔の対処方法はとても重要。眠いままの走行は危険だが休み過ぎるとゴール出来ない。自分の傾向を理解し合理的にコントロールする
携行する荷物の研究。必要最小限、最軽量にする。不可欠な装備は必ず携行
・表現が簡潔で論理的
・P294に「機材による速度差」というコラムは、機材を換えれば速くなるのか?という問題提起に対し、機械抵抗、空気抵抗、転がり抵抗、勾配抵抗、加速抵抗を説明した上でオススメ投資機材が紹介されている。とても論理的で納得感があった
・P273の「自転車は消耗品」というコラムでは、筆者の経験から各パーツの耐用距離数が紹介され、1kmあたりの値段が一覧表で示されている。なかなか面白い発想^^
・登坂でも平地と同じ感覚で走れれば時間がかかるだけで済む。ギアが足りずにケイデンスが低くなった場合、筋肉や関節が大きなダメージを受ける
・オーバートレーニング、使い過ぎによる体の故障はNG。筋肉痛ではなくいつもと違う痛みが伴う場合は医者に行くかしばらく練習を控えることが重要

購読日 2017年7月
おすすめ度 ★★★★★

ブルベのすべて
ブルベのすべて

posted with amazlet at 17.07.02
鈴木裕和
スモール出版
売り上げランキング: 6,046
にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ にほんブログ村 スキースノボーブログ バックカントリーへ にほんブログ村 自転車ブログ ロードバイクへ