21.白馬三山・不帰嶮・唐松岳縦走(1泊2日テント泊)

唐松岳杓子岳白馬岳白馬鑓ヶ岳

海の日の3連休の後2日間、猿倉から白馬三山、不帰嶮、唐松岳の1泊テント泊縦走を楽しんできた。山行日が近づくにつれ予報が悪化、初日白馬山頂付近では暴風雨に苦しめられたものの、予定通り天狗山荘でテント泊し、翌朝は朝から好天に恵まれ雲海とご来光、そして不帰嶮(バリエーションルート)の登攀など変化に富み充実した2日間だった。終わり良ければ全て良し!

■メンバ 単独
■行程  2012年7月15-16日(日、月) 曇り→暴風雨→晴れ 12~20℃

初日
05:23(1240m) 猿倉荘発
06:17(1549m) 白馬尻小屋
09:39(2809m) 白馬山荘
10:20(2932m) 白馬山頂
13:25(2903m) 白馬鑓ヶ岳
14:21(2725m) 天狗山荘着

累積標高差 +2726m、-1240m
時間 8時間57分
距離 14.9km

二日目
04:41(2725m) 天狗山荘発
06:41(2517m) 一峰
07:38(2614m) 二峰南峰
08:12(2580m) 三峰
08:36(2696m) 唐松岳山頂
11:44(1852m) 八方池山荘(リフト乗り場)
12:26( 828m) 八方(ゴンドラ降り場)

累積標高差 +840m、-2730m
時間 7時間44分
距離 15.3km

合計
累積標高差 +3566m、-3970m
時間 16時間41分
距離 30.2km

0715map.jpg
■初日
土曜夕方金沢発。雨が降ったり止んだりの北陸道から糸魚川ICで国道に降り20時八方第5駐車場着。翌日の天候に不安を感じながら準備を完璧にして21時半、カエルの大合唱を子守唄に車中泊する。

起床は4時、タクシーに相乗りさせてもらって4時50分に駐車場を出発することが出来た。バスは始発が6時と遅いがタクシーは早朝発が可能で料金も4人相乗りなら800円とバスの900円よりも安い。予約性なので相乗り出来る保証は無い。

5時過ぎに猿倉着。登山届けを提出し、大雪渓と不帰嶮の状態、天狗山荘の水の入手状況を確認して入山する。

0715sarukura.jpg05:12(1230m) 猿倉荘
雨はポツリポツリから霧雨へ。出だしから上下レインウェア+傘である。山の上部はガスで真っ白。今日は眺望は諦めますか。

0715hakubaji.jpg06:17(1549m) 白馬尻小屋
山道、林道を歩くこと1時間で白馬尻小屋着。雨は霧雨から土砂降りに悪化。ちょっと早いが雨が凌げる小屋でアイゼンを装着した。

0715daisekkei.jpg06:39(1643m) 白馬大雪渓
落石は相変わらず多いらしい。頻繁に顔を起こし前方確認をしながら高度を上げる。今回落石は一度あったが危険を感じるレベルではなかった。

0715hana.jpg09:23(2695m) 高山植物
葱平付近の高山植物。白、黄、紫など色とりどりの花が目を楽しませてくれた。意外と見頃な感じ。

0715siroumasanso.jpg09:39(2809m) 白馬山荘
暴風雨。ガスで視界も悪く最悪のコンディション…。天狗山荘に向かうべきか、ここに泊るべきか、山頂往復する間に考えよう。

ところで初めての白馬は登山デビューした2009年(3年前)。葱平から稜線までの急登でヘロヘロになった事を鮮明に覚えているが、テント装備でザックが重いのにも関わらず今回は殆ど息が上がらなかった。40代中盤と年はとったが体力は向上しているらしい^^

0715hakubasancho.jpg10:20(2932m) 白馬山頂
暴風雨だった。山荘で休憩時、靴下を絞る登山者もいたがスパッツと傘で靴の濡れは完全に防ぐ事が出来た。特に傘は効果絶大である。モンベル製が軽量・速乾・適度な大きさでオススメ。

『傘は撥水性抜群のアウターに勝る』

もちろん片手が塞がり、強風時は使えない制約があるが、使える環境であれば濡れ防止に絶大な効果がある。

0715yari.jpg13:25(2903m) 鑓ヶ岳
熟慮の結果、天狗山荘に向かうことに。午後から回復、明日は晴れる予報なことと、不帰嶮に時間的な余裕をもって登るためだ。白馬山荘のレストランなどを徘徊して回復を待ち雨が止んだタイミングで出発する。

0715koya.jpg14:21(2725m) 天狗山荘
約9時間の初日が終了。雨風共に収まりテント場の水溜りも無く予定通りテント泊が出来る。よかった^^

ところで稜線に出る前あたりから右膝に違和感があり、その後軽い膝痛に進行してしまった。おそらく雪渓アイゼン歩行での負荷と自宅でのエアロバイクのオーバーワークが原因。明日は大丈夫か…。

0715mizuba.jpg炊事場・水場
写真左手の建物に炊事場が、右手には無料で使い放題の水場がある。

0715tent.jpgテント場
残雪美しい鑓ヶ岳が大迫力でありながらご来光も望めるナイスなロケーション。写真最奥の橙色のテントが私の住処。トイレから少し遠いが風の影響を受け難く正解な場所だった。

夕食はキャベツ入りのインスタントラーメンを作った。キャベツはジップロックに入れ持参したが鮮度に問題なく2日目の朝まではシャキシャキ感が保たれていた。ちょっとした手間で美味しくなるので次回は野菜をミックスして持参するのもいいかな。

テント泊の人は談話室への入室が不可だったので、登山者とのお話は炊事中のみ。食事後はテントに戻って読書をして18時半に寝袋に入った。

■二日目
0716goraiko.jpg04:42(2719m) 天狗山荘からのご来光
昨夜は時折物凄い突風が吹き、ポールが抜けたり、張り綱の石が飛んだり、テントが潰れたりと大変だったようだ。我がテントは風の影響を受け難い場所だったので難を逃れた。「風と雨水を避ける意識」は重要である。

起床は3時半。棒ラーメンを食べテントを撤収。雲海からのご来光を見届けてから山荘を出発する。さぁ不帰嶮を目指してガンバです。

0716furikaeri.jpg04:54(2769m) 振り返れば鑓ヶ岳
天狗尾根は木の無いなだらかな岩稜。好天で涼しく爽快なのだが、既に膝に違和感が現れ膝痛になるのも時間の問題な感じ…。

0716ryousentsurugi.jpg05:26(2704m) 稜線の先には剱岳
快適な稜線歩きは間もなく終了。いよいよバリエーションルートに入る。

0716tani.jpg06:20(2419m) 不帰沢
天狗の大下りを下り不帰キレットからの不帰沢。今年の残雪は尾根は例年よりも少なく、谷は例年よりも多いらしい。

0716tengunoookudari.jpg06:41(2517m) 一峰の頭より
振り返ると天狗ノ大下りが素晴らしい! ため息が出るほど綺麗な岩稜である。

0716niho_sanpo.jpg一峰の頭からの二峰と三峰
この先から徐々にバリエーションらしくなっていく。

0716nansyo1.jpg06:51(2440m) 核心部1つ目
地図上に「危」で示された1つ目の核心部はここから。危険を感じる岩壁には全て鎖が設置されていたので3点確保し慎重に対処すれば問題なかった。一方、浮石は多いので後続がいる場合は神経を使った。

0716kentemae.jpg07:12(2525m) 1つ目の核心部振り返り
ルート上の核心部は一峰と二峰の間にある2箇所。写真すぐ手前が絶壁の登攀道になっている。

0716ryousen.jpg07:38(2614m) 二峰南峰からの振り返り
2つ目の核心部も無事クリア。

0716karamatu.jpg08:36(2696m) 唐松岳山頂
出発から約4時間で唐松岳山頂着。天狗の大下りで早々に膝痛発生したが我慢のスロー歩行で進行を抑えることが出来た。八方尾根は長い下りでここが最大の核心部という気もするが八方池山荘まで下りればリフトとゴンドラが使えるので、激痛レベルに達しても何とかなるだろう。

0716karamatu2.jpg唐松岳山頂からの剱岳方向

0716tyoujousansou.jpg09:00(2643m) 唐松岳頂上山荘
冬期は雪で埋まり屋根の一部しか見えない。

0716karamatuzawa.jpg唐松沢
湧き上がる厚い雲に覆われている。右手の八方尾根も雲は厚く視界が良いのは上部だけだろう。

0716lift.jpg12:00(1649m) リフト
自力下山も考えていたが八方尾根の下りで膝の痛みが増大。頻繁に休憩するレベルだったのでリフトを利用した。標高差1000mは文明の利器を使えば30分である。

まとめ
猿倉から大雪渓を登り、白馬三山・不帰嶮・唐松岳のテント泊山行を無事達成。バリエーション要素の高い岩稜の登行は面白く、眺望も素晴らしかった。膝痛は相変わらず悩ましい問題だが、うまく付き合っていくしかない。

以下備忘録
・稜線は風が強い。今回だけ?
・稜線の落雷には要注意(今年のGWに落雷事故が起きている)
・天狗山荘のテント場は風の影響を受け難い場所に設営する
・不帰嶮は難所には鎖があるので三点確保すれば問題なし
・ただし高度感があるので経験値が高くないと足がすくむ

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