20.白馬岳スキー(2号雪渓滑走)

白馬岳

先週のMTB薬師岳で膝痛敗退し今シーズンの山スキーのクロージングが出来ていない心境だった。そんな折、山映画と小屋番の方々のトークセッションが長野県松本市で開催されることを知る。開催3日前だったがネット予約が出来たため、白馬大雪渓&2号雪渓滑走を絡めた山行を計画。早朝から夜まで濃厚で充実した一日を過ごすことが出来た。気持ちだけは若い!

■メンバ 単独
■用具  STIGMA160cm、TLT SPEED、TLT5Mountain
■行程  2013年6月8(土)晴時々ガス、行程中の最低5℃、無風

03:09(1245m) 駐車場発
03:15(1251m) 猿倉
04:32(1530m) 白馬尻
07:44(2710m) 頂上宿舎
08:08(2827m) 白馬山荘
08:30(2932m) 白馬岳山頂着
08:59(2932m) 白馬岳山頂発
09:15(2873m) 2号雪渓エントリー
09:35(2080m) 大雪渓接続
10:34(1249m) 駐車場着

時間 7時間25分
距離 16.3km
累積標高差 ±1780
0608map.jpg
金曜20時北陸道から糸魚川を目指す。糸魚川からは一般道で22時半に猿倉に到着。1台も駐車していない大駐車場を見て、白馬大雪渓と言えどこの時期はこんなもんかと、翌日の寂しい山行を覚悟しつつ23時車中泊する。梅雨時期だが星空が綺麗であった。
2時半目覚し鳴。ウォーと叫びたくなる眠さだった。しかし下山後80km離れた松本でのイベントがあり、その前に温泉にも入りたいのでここは気合で起きるしかない。半開きの目で軽く食べて3時過ぎヘッドライトで駐車場を出発する。
0608-0359ware.jpg03:59(1440m) スノーブリッジは崩壊が進む
林道からヤブ道に入り沢沿いに登る。スノーブリッジは崩壊が進んでいた。
0608-0413daisekkei.jpg04:13(1483m) スキー歩行へ
大雪渓末端に抜けたところでスキーを履く。気温5℃雪は締まり歩き易かった。半袖+アウターでは風で冷えるようだ。気温は上がる予報だが長袖を一枚追加。ヘッドライトを収納して広大な雪渓歩き開始♪
0608-0428siroumasawa.jpg04:28(1530m) 白馬沢
0608-0435siri.jpg04:35(1539m) 白馬尻の小屋
冬期解体された小屋は再建設が進められていた。ご苦労さまです。
0608-0450daisekkei2.jpg04:50(1652m) 白馬大雪渓
やっほー。素晴らしい眺望! 斜面の凹凸、木片、落石は予想より少なくまだまだ滑れる感じ。
0608-0507are.jpg05:07(1777m) 酷いところでこの程度
0608-0534asahi.jpg05:34(1927m) 広大な大雪渓を独り占め♪
時折雲が出るが基本快晴。空梅雨に水不足も懸念され始めているが、好天は嬉しい。。
0608-0534sekkei2kabu1.jpg05:34(1927m) 2号雪渓との接続点
今日は山頂直下の最大斜度55度と言われる2号雪渓を滑走予定。初トライである。地図と実際の位置関係からしておそらくこの雪渓だろう。地図と見比べながら、雪切れ、落石状態などをチェックしておく。
0608-0534sekkei2kabu2.jpg05:39(1963m) 少し登って再チェック
下部は雪切れの心配はなさそう。デブリはなく、落石はあるが多くはない。上部も問題なければ滑走することにしよう^^
0608-0557rakuseki.jpg05:57(2092m) 大きな落石
大雪渓登行中、何度かあったが歩行路まで到達したのは一度だけ。それが写真の石。横50cm、縦1m近い大きなもので、右側の崖から静かに落ちてきて、前方30mくらい先で停止した。リスクはすぐ近くに存在する。
0608-0606hidari.jpg06:06(2154m) 急登
この付近から板が滑り難儀、ペースが乱れ体力もロス。白馬宿舎からはスキーを担ぐので早めに切り替える手もあったが2400mから斜度が緩むのでスキーのまま登る。
0608-0625furikaeri.jpg06:25(2289m) 大雪渓を振り返る
依然として人影なし。出発時点で5台ほど停車していたが皆レイトスタートなのだろう。
0608-0732heri.jpg07:32(2683m) 10回近く往復していた荷揚げヘリ
0608-0711syakusiyari.jpg07:11(2585m) 残雪模様の美しい杓子岳、鑓ヶ岳
0608-0741koya.jpg07:41(2697m) 村営白馬岳頂上宿舎
0608-0808sanchokoya.jpg08:08(2827m) 白馬山荘
小屋番の方に2号雪渓についてお聞きすると先週で終了かなぁ、落石もあるからねぇ、とのこと。なるほど…。しかし最終判断は自分でするしかない。
0608-0808douhyou.jpg
0608-0830sancho.jpg08:30(2932m) 白馬岳山頂
8時半、出発から約5時間半で登頂。この時刻なら14時半からのイベントには余裕で間に合うだろう。温泉にもゆっくり浸かれる^^ 山頂は若干雲が出ているが梅雨時期にしては風もなく超ラッキー。登山道のチェックで登ってきた小屋番の方に写真を撮影して頂きしばし眺望を堪能する。
0608-sancho2.jpgほぼ垂直に切れ落ちた断崖絶壁
0608-asahidake.jpg旭岳(2867m)。日本海の水平線も見える。
0608-sancho3.jpg小蓮華山(2769m)への稜線
0608-0915entry.jpg09:15(2887m) 2号雪渓へドロップイン
エントリポイントは雪付き十分、致命的なクレバス、デブリ跡、落石散乱等も見当たらず、雪は適度に締まっている。GOでしょう。
岩場を少し降りた残雪に小さなテラスを作ってスキーを履き、滑落に緊張しながらドロップイン。しかし緊張は何だったのかと思うほど楽勝であった。雪が適度に柔らかくエッジがギンギンに利くのだ。エッジが利けば一気にリスクが下がる。最大の難所と思っていたエントリポイント直下をあっけなく過ぎた後は、落石とクレバスへの転落、ルートミスに注意すれば良かった。
0608-0915syamen.jpg09:15(2887m) 小さな石もマメに避ける気持ち的余裕をもって滑走
0608-0916kurebasu.jpg09:16(2857m) クレバスの横にはヒドゥンクレバスがある前提で慎重に滑走。クレバスは2,3mの深さがあり落ちると面倒なレベルだった。
0608-0920.jpg09:20(2683m) エントリポイントを見上げる。ガスは出たり消えたり。
0608-0924.jpg09:24(2603m) 見覚えのある山が視界に入ってきた。大雪渓も近い。右手の岩場を過ぎたら右に曲がり幅広の雪渓に合流する。
0608-0928.jpg09:28(2482m) 幅広雪渓との合流点。このクレバスは下が見えない深さだった。
幅広の雪渓から大雪渓に合流して2号雪渓滑走を終了した。雪が適度に柔らかく滑落リスクが低かったので緊張は1stターンをするまでだった。拍子抜けした形。ただし雪が硬い時期は滑落リスクが飛躍的に増大し、これに雪崩れと落石が加わるのでエントリは慎重な判断が必要と思う。エントリ直下以降も急斜度が続くので転倒するとかなりヤバイ。
2号雪渓の滑走ルート(クリックで別ウインドに地図が表示されます)
0608-0943end.jpg09:43(1670m) スキー滑走終了点より振り返り
大雪渓は登山者、山スキーでの登行者で溢れかえっていた。100人以上な感じ。いつの間にこんなに…。
10時半駐車場着。出発時5台だった車も猿倉荘前に20台、大駐車場には50台ぐらいに増えていた。最後は『流石人気の大雪渓』であった。

◆穂高・涸沢Movie & Talk Session について
下山後、温泉に入り松本に車を走らせ開演1時間前の13時半に波田文化センターアクトホールに到着した。講演会は映画上映2本の後、涸沢ヒュッテと穂高岳山荘の小屋番の方々3名によるトークセッション。往復400kmと距離も時間もかかったが、来て良かったと思える大満足の内容だった。詳しくは以下参照。

イベントの公式HP
穂高・涸沢Movie & Talk Session
ブログ、FaceBookに投稿した感想
2013/06/08 穂高・涸沢Movie & Talk Session(松本会場)

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コメント

  1. キムキム より:

    今週も行ってましたか!
    先週の薬師岳で板納めでは、納得いきませんもんね。
    僕は先週の毛勝直登ルンゼで、板納めとなりました。
    今日は、朝から道具の片付けして、板をチューンナップに出して帰ってきたところです。
    シーズンインまで何をしようか悩みますが、奥穂高~槍ワンデーやってみたいですねー

  2. 管理人 より:

    キムキムさん
    お察しの通りやはり登頂しないと納得感が、、、でした(笑)
    キムキムさんは毛勝でクローズですか。遠方ドライブでの山スキー、相変わらずタフですね^^
    奥穂~槍1dayとは熱いなぁ。
    でも奥穂~西穂1dayをこなすキムキムさんなら技術、体力は問題ないかもしれませんね。
    私はジャンダルムと、大キレットはまだなので、今シーズンはここにチャレンジしたいです。

  3. 那ぁ より:

    おぉ~、本当に充実した一日ですね~。
    僕は、来週が板収めになる気がしますが、
    悪天で流れたら、往生際悪くその翌週も狙うかも。
    立山・乗鞍・御嶽、まだまだ(無理やりw)滑れそうですし。
    まあ、このまま板収めになってしまっても十分満足なシーズンでしたけどね。
    それにそろそろ沢の季節、毎年雪から水へと一気に飛躍します。苦笑

  4. 管理人 より:

    那ぁさん
    白馬大雪渓、那ぁさん情報の通り、コンディション良く満喫でした。Thaks!
    ブログには今シーズンラストとは書いたものの、山スキー道具を片付ける気にはなれず、私ももう少し粘るかもしれません^^
    那ぁさんは沢もやるんですか。
    沢だけでなくクライミングにも興味大アリなんですが意識的に足を踏み込まないようにしてました。絶対にハマってしまいそうで。。

  5. レッドバロン より:

    流石としか言えません。
    2号雪渓のラインがやっとわかりました。先週頭の中をよぎったのですが、スタートからその気がないと、エントリーできないようです。
    来年はチャレンジしてみます。

  6. 管理人 より:

    レッドバロンさん
    今回は条件が良すぎでした。胸を張って2号雪渓を滑ったと言っていいのかという感じです。。
    単独、初トライで、危険箇所やルートは地図と目視判断でしたので、無難で正解とも言えますが。
    コンディションで難易度が激変しますのでチャレンジする際は慎重に見極めてくださいね。

  7. Repu より:

    はやばやとスキーを片づけてしまったへなちょこスキーヤーの私ですが、毎回このHPには触発させていただき、情報もいただきました。ありがとうございました。そして今シーズンは大滝山でもお会いできて、とても嬉しかったです。
    またこれからも、どうぞよろしくお願いします。

  8. 管理人 より:

    Repuさん
    山はスキーだけではない!
    私の方はRepuさんのクライミングレポ興味深く拝見してましたよ。残雪期の剱にも感銘受けました^^
    山の経験を積むほど山って怖いなと思う私ですが、冒険的な山行ほど面白いと感じてしまうのは困ったものです。
    こちらこそ今後とも宜しくお願いします。

  9. 多摩太郎 より:

     お早うございます。
    白馬岳から滑降されたのですね。登るにはかなりの時間がかかりますが、スキーだとあっと言う間に滑り降りられた事でしょう。
     鑓や杓子岳の展望なかなか良いです。日本海も望めたようで。。。

  10. 管理人 より:

    多摩太郎さん
    梅雨の時期としては眺望良くラッキーでした。
    剱はてっぺんが見えたり隠れたりだったのがちょっと残念でしたね。
    それにしてもこの稜線はいつ見ても惚れ惚れします。
    栂池から扇沢までの縦走山行をは昔からやってみたいと思っているのですが、実際の稜線をみてあらためて強い衝動に駆られてしまいました^^