頻繁なルートチェック、ジャングル帯ヤブ地獄、渡渉、果てしない急登ラッセルで体力と時間を使い、2500m付近で氷化した壁にいく手を阻まれ敗退。地図上の標高差は1400mだが大半が急登のためラッセルが厳しいと膨大な時間を要する(単独だと特に)。尾根が広くルートは無限なので雪質や量、天候などを考慮して計画しないと軽く敗退を喰らう非常に興味深いコースだった。
レッドバロンさん、天狗蔵さん、梅さんと初めてお会いした山行。
■メンバ 単独
■用具 アンペレージ175cm/BD、TLT Speed/Dynafit、TLT5Mountain/Dynafit
■行程 2012年12月23日(日)晴れ、-6℃(駐車場)、敗退点-15℃
05:26(1324m) 平湯キャンプ場駐車場
06:52(1596m) 渡渉点
07:53(1841m) 1841mピーク
11:29(2513m) 敗退点
13:08(1596m) 渡渉点
13:44(1324m) 平湯キャンプ場駐車場
時間 8時間17分
距離 12.7km
累積標高差 ±1668m

山お休みした先週実は四ツ岳北面or第3尾根からの猫か四ツ岳狙いでスタンバっていた。準備万端車に乗ってエンジンをかけたが金沢での激しい雨にしばし車内で考え込む…。
・高温と明け方までの雨予報、雨は金沢同様激しいのではないか
・とすると雪のコンディション悪いのではないか(四ツ北面は大滝川渡渉の不安もあり)
・妻仕事のため娘留守番で山に行くことに気が引けていた
いろいろ考え急遽中止。結果的にはYASUHIRO氏が四ツ岳、那ぁさんが第3尾根からの大崩で登頂と好天をゲットされなんとも悔しい思いをした(四ツ、第3尾根共に雪は問題ない事が報告)。
一方今週は岐阜の白川郷エリアを考えていた。早朝起床し自宅出発するパターン。しかし前日の最終予報チェックにて周辺山域で唯一高山に晴マーク(午後の一部のみだが)が出ており、四ツ岳北面に心が揺れ動いてしまう。駄目だ行くしかない…と土曜21時急遽金沢を出発することになった。
四ツ岳北面は、
・地図を見る限り尾根が広くルート選択が多岐にわたる
・2500m付近は等高線が密な壁で囲まれている
・単純標高差で1400m
・大滝川の渡渉がある
敗退記録も多く難易度が高いと感じていたため、珍しくGPSにウェイポイントを入れてルートを決めていた(先週)。ルート選定は著名な方々の記録と最終的には、アベル父さんの「もっと山を、スキーを、感動を」を参考にさせて頂く。
しかし現地状況から左から巻くウェイポイントに従わず2500mの壁にダイレクトにアタックしてしまった…。この付近の急登でクトーだアイゼンだと時間を大きくロス。-15℃と強風も手伝って残り標高差200mで無念の敗退悔しい結果となった。
06:48(1596m) 渡渉
平湯キャンプ場の駐車場着は土曜23時半。前々日の金曜は飲み会でAM2時と睡眠時間が少ないことも影響し、4時の目覚しと激しく格闘、限りなく寝坊に近い4時50分にようやく寝袋から這い出した。気温は車内-1℃、外-6℃。寒さで動きが鈍いが空に輝く星を見た瞬間目が☆になり一気にテンションが上がった。今日はイケまっせ!
駐車場発は5時半。30分前に出発された方のトレースを追うがスキー場方面に進んでおり行き先が別であった。「今回も終始単独だな」と気を引き締め直し右に大きく進路を変えて平坦路を進む。雪は表面5cmがクラストし踏み込むとズズッと沈む状態。ラッセルとしては楽な方だったが滑走は難儀が予想された。標高どんだけでパウになるかだろう。
平坦路は次第に左右を尾根に囲まれるが急勾配なため取り付く事はせず、狭くなるに任せて進み、突き当ってから左手の尾根に取り付いた。ここも急だが登り易い方だろう。「平坦路に登り上げたらまた急登」を何度か繰り返すと遠かった大滝川が徐々に近づきやがて流れの音が聞こえてくる。徐々に進路が細くなり1600m付近で渡渉点に到達する。分かり易かった。スノーブリッジ不完全のため沢に降り石伝いに対岸に渡った。特に問題なし。
渡渉の先は壁で登り上げは不可能。進路を求めて上流に進むが細くなるだけ、下流側に板を履いたまま登れるルートがあった。
07:48(1818m) ジャングル帯
安全志向の自分だがそれが仇となることは多い。急勾配でも尾根が低いうちに取り付く傾向、谷ではなく尾根を滑る傾向。今回も取り付きで難儀、取り付いた後もヤブで難儀にやられた。素直に平坦路を進んでから暖斜面を取り付けばヤブも無くどんだけ効率的だったことか…。まぁ結果論だが。因みに下山滑走も尾根を選択してヤブで悪戦苦闘。
単独行はリスクを減らすことが重要と思っているので「尾根に取り付くタイミングを逃して激な急登を雪崩リスクと体力酷使で登る」のは避けたいし、「谷をヒャッホーで滑って進路を間違い登り返し」は時間ロスと下手すると遭難である。時間的余裕が減るほど精神的な焦りが大きくなりミスを誘発するとも思っているのでこのジレンマが無くなることはないかな…。逆に無くなった時は遭難リスクを高めているとも言えそうである。
08:04(1876m) 今回もラッセル一人旅
相変わらず表面はクラスト。踏み込むとズズッと15cmほど沈む。勾配が急な分、股関節を酷使。
09:07(2080m) ジャングル帯は続く
ジャングル帯の急勾配ラッセルはいつまで続くのか?
09:52(2256m) 大崩山
大崩山が随分近くなってきた。出発から5時間半でやっと標高差900mの低進捗ながらも確実にゴールは近づいている^^ この先左から巻くウェイポイントを登録していたが、ぐるーーーと大周りしなければならないのと時間が押しているためこのまま最短で詰めることにする。
10:12(2347m) 疎林の快適斜面
この付近からは滑走天国。依然としてクラストだが滑走が楽しめる程度の硬さになってきた。
10:15(2359m) 北アルプス
振り返ると北アルプスが素晴らしい。狙い通りの好天をゲット出来た。
10:18(2370m) 北面⇒日陰⇒パウ⇒^^
雪は更に軽くなりようやく小パウになった。残り標高差400m。
11:02(2489m) 2500mの壁は急峻
雪煙が舞う予想通りの強風だった。雪が硬くなりクトー装着したが、それでも滑るのと上部では必須明白だったのでアイゼンに履き替え、-15℃強風の中で時間を浪費した。
11:35(2508m) 敗退点
2200m付近から私より30分遅れで出発されたという富山の3人パーティとご一緒させて頂き、ここまで来たが、写真の登りがアイシーでリスキーなのと、何よりも時間が押しているため敗退を決めた。クラストや樹林帯滑走で難儀するのも分かっていたので妥当な判断ながらも、小さな時間ロスの積み重ねでタイムオーバーになったことが悔やまれた。好天なのに本当に悔しい!
11:35 敗退
上部は雪が固いため少し降りてシール剥がしし下山滑走へ。
12:05(2455m) 情報収集
北側を視察。写真中央の白い斜面も実際は急勾配でリスクが高く思えた。地図上で等高線が粗いのは更に北側(写真では見えない)だが、谷筋なので雪崩れリスクが高い気がした。
次回リベンジするとしたら今回ウェイポイントに登録していた左からの巻きルートだろう。尾根に隠れ目視は出来なかったが現地の状況と等高線、報告を見る限り最もリスクが低いように思った。
備忘録
・渡渉点は分かり易い。流れに勢いあるが今回はブリッジを使わず沢に降り石伝いに渡れた
・森林限界までは進路を見誤るとジャングル地獄に捕まる。地図上の谷を詰めた方がヤブが埋まり確実かも。下山滑走も同様
・2500mの壁は急勾配
・長い急登なので単独ラッセルだとかなりキツイ


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