アルプスを越えろ! 激走100マイル 世界一過酷なトレイルラン

書籍紹介

トレイルランニングで世界最大のレース「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)」は、ヨーロッパアルプス最高峰のモンブラン山(標高4810m)を中心とした巨大な山群を大きく一巡りするトレッキングルートを1周する世界一過酷なレースと言われ、一度走り出せば20数時間一睡もせずに山道を走り続けなければならない。その距離は100マイル=160kmに及ぶ。

著者はこの2009年大会で日本人過去最高の第3位を記録しているが、気を失うようなアキレス腱の激痛と幻想を見るほどの疲労に耐え抜いて手にした魂の入賞だったようだ。最後は耐え抜く力、精神力で勝負が分かれるらしい。

私が大した努力もせずに膝痛懸念で富士山Sea To Summitを諦めていることが情けなく思えてしまった…。この本を読んでしまった以上、今年はチャレンジするしかないだろう。

『アスリートとしての私の大きな武器は「耐える心」を人一倍持っている事なのだと思います。険しい山道を百数十km、失神するほどの苦しみに耐え、ひたすら走り続けるなかで、最も重要な要素はこの心を持ち続けられるかどうかにあると思います。
・・・
執念深い。一言で言えばそういうことなのかもしれません。こうした思いを常に心に溜め続けるしかない一方で、その状態を続けることは、精神的にとても苦しいことです。いつからか、心の平静を保つ防衛本能として、苦しい思いを前向きなエネルギーに転化しようとする思考回路が備わったような気がしています。
その思考のポイントは「誰かを恨まない」ということです。苦い経験の中には、誰かへの恨みのようなものも当然あります。しかし、決してその特定の個人を恨むのではなく、自分の心に負った悔しさだけを考える。それを自分をステップアップさせるエネルギーに転換することがとても重要なのです。』

購読日 2013年4月
おすすめ度 ★★★★☆

アルプスを越えろ!  激走100マイル―― 世界一過酷なトレイルラン
鏑木 毅
新潮社
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