2025年GW北関東遠征登山@男体山・至仏山・奥白根山

奥白根山男体山至仏山

2025年GWの遠征登山、今回は北関東未踏の3座である^^ まずまずの天候の中、MTB活用、ゴンドラ不使用で気力・体力を確認しつつ、ルンゼ滑走で冒険的要素を味わいつつの3日間だった。大満喫!

2025年4月26日(土)晴、弱風、気温一桁~10数℃

06:13 二荒山神社
07:28 五合目
09:09 男体山
10:48 五合目
11:45 二荒山神社

時間 5時間31分
距離 8.6km
累積標高差 1231m

遠征初日は日光連山のほぼ中央に位置し、日光修験道の中心地として知られる標高2486mの男体山。ネット情報の通り両手を使う急登が続くキツイ山だった。

仕事から帰宅後、夕食と風呂して自宅発、スーパーで買い出しして高速に乗る。登山口の二荒山神社まで成り行きで移動するとETC深夜割30%割引が使えないため、下車する宇都宮IC手前の上河内SAで車中泊し、登り始め6時から逆算し4時半SA発で計画した。二荒山神社着は5時半過ぎ。車は敷地内にある登山者用の無料駐車場に停めた。神社で入山届と入山料1000円を払い6時過ぎ入山。

基礎情報

男体山は「山全体が二荒山神社の境内」である。そのため、以下となっている。
・2025年の入山期間は4/25より
・入山時刻は6:00より
・入山料1000円

6:06 二荒山神社。登山口はこの先にある。階段を上って右奥にある社務所で入山届けと入山料1000円を支払った。既に30名ほど入山しているらしい。

6:19 一合目。序盤は勾配緩く歩き易いハイキングチックな道。

6:51 苔むした倒木。

7:05 四合目。ここから胸突き八丁の急登が始まる。アウターを脱ぎ、軽く食べて準備と^^ 晴予報なのでサングラスにして、日焼け止めも塗った。

7:37 最初の残雪は五合目のちょい先。

7:46 徐々に残雪が増えるが日陰のみ。朝イチなので雪は硬かった。

8:19 急登ではストックをザックに固定し両手を使って登った。緩急がなく急登が連続するので脚を休める場がなく結構キツかった。そんな折、ガスの切れ間から中禅寺湖が顔を出す^^ So beautiful! 一撃で疲れを忘れる👍

8:33 残雪ゾーン。雪はカチカチに硬く滑り易いが、勾配が緩くアイゼンなくても登れるため、装着せず登行。

8:48 山頂手前。青き天空へのビクトリーロード。

9:01 日本百名山57座目登頂。出発から約3時間だった。標高差1000mを超えるタフな登山は今期初なので急登はキツかった。標高2500mの酸素濃度は平地の75%なことも影響してそう。しかし疲れが吹き飛ぶ眺望であった^^

二荒山大像

日光三山は、男体山、女峯山、太郎山からなり、それぞれに祭神を祀っている。二荒山大神はこの三山の神体らしい。

御神剣

中禅寺湖。噴火によって湯川が堰き止められ形成された堰止湖。因みに男体山の最後の噴火は7000年前だそうだ。それにしても素晴らしい眺め^^ 仙台から遠く今回が最初で最後かもしれない貴重なチャンスに感謝しかない。

奥白根山 2578m。明後日4/28に山スキーで登る予定。

燧ヶ岳 2356m。こちらは今年夏の遠征で登る予定。

会津駒ケ岳 2133m。こちらも今年夏の遠征で^^

山頂には30分ほど滞在。風は冷たいが日差しがあり寒くは無かった。登山者は10数名だろうか。食事と登山者とのお話しなどして9時半過ぎ下山開始。

11:45 下山終了。登りで硬かった雪も緩みアイゼン未装着で問題なかった。急斜面では未完治の五十肩に負荷をかけ「うぅ」と鋭い稲妻が走ること数回。その度に激痛で10秒ほど動けなくなった…。発生から7ヶ月、登山出来るほど回復したと言いつつ、まだこのレベルではある…。

男体山登拝の御守り。入山料(登拝料)を支払った時に頂いた。

まとめ
上河内SAでの睡眠は4Hと寝不足気味の中、ほぼ計画通りトラブルも無く遠征初日を終えることが出来た。中禅寺湖を見下ろし、燧ヶ岳など周辺の山々だけでなく、東北の月山そして遥かに北アルプスと、これぞ百名山という素晴らしいパノラマを堪能。五十肩の激痛には参ったがオール込みで大満喫。明日の至仏山もこの調子で楽しみたい^^

2025年4月27日(日)晴、中風、気温一桁~10数℃

03:54 戸倉第一P
05:55 鳩待峠
08:06 小至仏山
08:43 至仏山
10:19 鳩待峠
10:52 戸倉第一P

時間 6時間57分
距離 31.2km(戸倉第一Pから鳩待峠までMTB)
累積標高差 1622m(MTB分600m含む)

遠征二日目は至仏山を山スキーで^^ 至仏山は当初、夏遠征で登る予定だったが熟慮の結果
・GW遠征 男体山、奥白根山、至仏山
・夏遠征 会津駒ケ岳、燧ヶ岳、平ヶ岳、越後駒ケ岳
・土日遠征 筑波山、皇海山
に落ち着いた。
※このエリアの未踏百名山です

至仏山はマイカー規制のため、鳩待峠までバス利用となる。4H程度の山行に3600円(駐車場代、バス往復代)かぁと思った時、MTB山行を思いついた^^ 戸倉から鳩待峠までは11km、標高差590mで射程範囲。山行時間が6.5Hに拡大し、費用は1000円で済む。正に一石二鳥。これに決めた(^_^)

車中泊し朝3時過ぎ起床。脚はしゃがむのが辛いバキバキの筋肉痛だった。睡魔もあって一瞬気が萎えるが、前日、道路状況をチェックしたし、昨夜のうちにMTBを組み立てて準備万端だったので、意を決して4時ちょい前Goする。

基礎情報

・標高2228m
花の百名山でもある
鳩待峠へのマイカー乗り入れ禁止。バス利用になる。以下2025年の情報。
・駐車料金 戸倉第一P、戸倉第二P 1000円(ゲート式)
・戸倉ー鳩待峠バス運行期間 4/18~11/3、35分、片道1300円
・始発時刻 5:30~6:30(カレンダーによる)
 2025年カレンダー
 202504211711307404.pdf
・植生保護の観点で以下定められている
 山ノ鼻から山頂間は登りのみの一方通行
 GW明けから6月末まで登山禁止

3:55 戸倉第一PよりMTBで始動。足はスキー靴、スキー、ストックはザックに固定した。脚は酷い筋肉痛だが漕ぎ始めれば忘れるだろう^^ 気温一桁で冷える体もすぐ暖まるはず^^

4:08 鳩待峠まで10km。写真では暗闇ライドに見えるが、日の出まで30分のせいか薄っすら明るかった。

4:57 道路脇の水芭蕉^^ 尾瀬っぽい?

5:09 鳩街峠分岐のちょい手前。間もなく急勾配になる。道路の光る部分は融けた雪が凍った場所。ペダルを踏み込むとタイヤが空転する恐ろしい状態である。

5:33 凍結危険ゾーン。MTBを降り、右端の落ち葉の上を押し歩き。下山時は融けていると思うが要注意である。

5:45 つづら折りの山岳道路。

5:56 鳩街峠着。ちょうど2Hは計算通り👍 MTBは道路脇にデポした。

5:58 鳩待峠。登山者、ボーダー(スプリットボード)、山スキーで大賑わいだった。比率は8:1:1くらいか。

7:05 小至仏山と至仏山。全体的になだらかで女性的と言われる。尾瀬を挟んだ対面の燧ヶ岳は逆に男性的と言われる。

7:18 尾瀬と燧ヶ岳

7:43 小至仏山

8:08 小至仏山。眺望が素晴らしいが、至仏山でも同じ眺望と思うので写真はスルーした^^

8:44 至仏山登頂。日本百名山65座目である。写真撮影の行列は勘弁なのでこんな形で記念撮影💦

写真待ちの行列。人気の山なんですね~

尾瀬と燧ヶ岳。雪が融けるとこの大湿原はどう変貌するのか? 尾瀬の散策を目的に妻と訪れるのもアリかもしれない。

中央左が中ノ岳、右が越後駒ヶ岳

左のなだらかな山は巻機山(まきはたやま)。昨年夏の遠征で登頂。

山頂からの眺望動画。雪残る山塊は見応え十分。2日連続の好天に感謝である。

9:21 山頂では30分ほど食事休憩し、いよいよ滑走開始。しかーし!

9:21 斜面が荒れていて滑走難💦 昔ならもっと楽しく滑れたはずだが、ヘボ化の進行に筋肉痛とMTB疲労が加われば致し方ない…。ノンストップ滑走したい思いと裏腹にちょっと滑っては休憩し、、、という状況(T_T) それでも太股パンパン男だった。

9:28 ツリーラン。ここも雪面ガタガタで太股にグッとくるものがあった。

9:33 ワル沢は所々顔を出していたが徒渉は問題なかった。突き当りまで滑ったらシールを貼って右方向に登り返し、オヤマ沢を渡り、10:19に鳩待峠に到着。

登頂したことだし登山バッチを買おう!と、ザックのポケットを開くと、あるべき財布が無い。マジか…。頼みのスマホ決済も出来ず万事休す。「戸倉で売ってますか?」「売ってません。ここだけです。」で終了と(T_T)

気を取り直しMTBダウンヒル開始。凍結路面は完全に融け快適そのもの。熱い体に涼やかな新緑シャワーを浴びて、あっという間に戸倉に到着した。

まとめ
遠征二日目、MTB活用での至仏山山スキーを達成。残雪期に写真待ち大行列が出来る人気の山で、尾瀬を見下ろし、美しきまだら模様の雪山の絶景を望むことが出来た。MTBクライム標高差600mは馴染みの白山でいう市ノ瀬→別当出合(400m)の1.5倍の難易度。朝、強烈な筋肉痛と分かった時、一瞬気持ちが萎えたが、結果的には余力を残して周回でき、精神と体力はまだ健全と思えたのはジジィ進行に嘆く私にとって大きな収穫と思える。

至仏山は花の百名山でもある。今回は残雪期故、それを感じることは無かった。機会あれば最盛期に再訪して以前百花繚乱に感動した白山や白馬、伊吹山との違いを感じてみたい。その際は財布を忘れないようにだな…。

2025年4月28日(月)曇り、弱風、気温一桁~10数℃

05:24 登山開始
07:16 ゴンドラ山頂駅
07:55 大日如来分岐
10:04 奥白根山
11:40 弥陀ヶ池
12:14 大日如来分岐
12:41 ゴンドラ山頂駅
12:51 登山終了

時間 7時間27分
距離 15.0km
累積標高差 1344m

遠征最終日は奥白根山。1週間前は予報が悪く、最悪、DNSと考えていたが、晴/曇りまで良化し予定通り入山することが出来た。

山行のポイントは2点
・ゴンドラ(ロープウェイ)を使用するか
・ルンゼを滑走するか

ゴンドラ使用の場合、営業開始の8時半まで待つ必要があり、ルンゼ滑走をするとなると下山が遅くなるリスクがある。また、「ゴンドラを利用時の積雪期の登山はココヘリ携行が必須」とされており、私は契約してないためレンタル料1100円が、片道ゴンドラ1800円の他に必要となる。

ルンゼ滑走はヤマレコのyamancyu氏のレポを参考にした。山頂から五色沼を目指して滑り、弥陀ヶ池方向に半時計周りで歩いて避難小屋付近に合流する登り返しのあるルート。写真で見たルンゼの難易度は極端に高くはない印象だが実際はどうなのか。

結果として、ゴンドラ未使用、ルンゼ滑走とした。正直、登行中は「ルンゼ滑走は止めよう」と思っていた。しかし、至仏山東側の長いトラバースはスキーで効率的に滑れる場所は無く、それどころか、斜め傾斜がキツく険しいため基本シートラとなり、ザックに固定したスキーが木に引っ掛かって難儀することは明白だった。「どっちもどっち」。気持ちが定まらぬ中、実際のルンゼを見て、冒険心と「このリスクなら行ける」の判断でルンゼ滑走に決めた。

ルンゼ滑走後の登り返しは、ルートミスを繰り返し時間と体力を消耗させた。帰宅後、参考にしたレポを見直すと、登った後に下ってまた登る形跡もあったので、もしかすると、黄緑ルートが正解かもしれない。

至仏山の後は、ベイシア沼田モール店まで降りて買い出しをし、ほっこりの湯で汗を流す前日と同じ行動^^ 20時頃に丸沼高原スキー場に入り車中泊した。

基礎情報

・標高2578m
・ゴンドラ片道1800円、往復2500円
 ココヘリレンタル料1100円
 ※ゴンドラ利用時の積雪/残雪期登山はココヘリ携行義務化
 ゴンドラ営業開始8:30
・駐車場 無料(時期による)、24Hトイレあり
・日帰り入浴800円

5:24 ゴンドラ使わず歩きでGo!
ピステが圧雪作業中だったのでシートラで草の上を歩く。こういった配慮は大事と思っている。草の上は、ウサギと鹿のトレイ状態だった。フンだらけ💦

5:27 至るところにある。あり過ぎて途中から気にせず歩いた^^

5:48 ピステがいない場所からシール歩行。上部は雪面が僅かに凍っていたので昨日のうちにピステしたようだ。

7:17 約2時間でゴンドラ山頂駅到着。さぁメインディッシュはここからである。

7:22 二荒山神社の鳥居。一礼して入山。

7:32 ひたすら続くアップダウン道。

8:15 大きな沢で雪切れ。ここまで何度かスキーを脱着したが、ここでシートラに変更。

8:34 朝イチは雪が硬く足元が滑るので神経を使った。アイゼン装着すれば楽だったが、シール歩行に戻す可能性もあったので💦

9:28 樹林帯を抜けたここで大休止。結局、大きな沢以降シートラで歩いた。途中、硬い雪面をダブルアックスする場面もあったが、全体として、難易度は低いのに歩き難さで時間と体力を使った印象。嫌な疲れ方だった…。

ここまで山行者には一人も合わず。ゴンドラ運行前だからか。

10:04 奥白根山着。5時半出発なので4時間半を要した。1時間の計画オーバー。足元悪い長いトラバースに翻弄され続けた印象。

10:08 男体山と中禅寺湖

10:09 燧ヶ岳

10:09 至仏山

360°パノラマ動画

10:28 北東ルンゼ。写真では分かり難いがドロップポイントが40~50°でストンと落ちている。その先は30°程度で落石痕は少なかった。雪が硬すぎることもなく、デブリ痕もない。この感じなら滑走は問題ない。ただ、先行者も後続もいないと思われるので、快楽を抑え慎重第一と誓ってGoを決めた。

10:28 こちらはすぐ脇のルンゼ。この雪面状況も参考にした。

10:40 ルンゼは面ツルで滑り易かったが、緊張感があり実にシビれた^^ 最高です!

ルンゼはここで左右に分岐しており五色沼側(左側)に滑走する。「道なり」だと右側なのでルートミスするところだった💦

10:44 五色沼

10:51 滑走斜面振り返り。この付近で滑走終了。ここからが道なき道をルートファインディングする第2の確認部。油断できない。

10:57 赤布発見。おぉ、正規ルートなんだと一瞬安堵。ここで「参考ルート」に従って直進したが、少し先に急な壁を目視。GPSを見ると壁を越えた後、少し下って左回りに戻るため、Uターンしてコルを目指すルートに修正した。


11:39 弥陀ヶ池。ここで山で見た唯一の山行者を目視。おそらくMAMMUT001氏と思われる。

12:05 登りルートとの合流点(避難小屋)にショートカットしたい心理で左、左に向いた意識が裏目に出て、何度も軌道修正。カニ歩きなどで体力を使った。難所を越えたこの密林で一安心。

12:39 登りルート合流後は、細かいアップダウンを漕ぎスキー。無事、ゴンドラ終点駅到着し、奥白根山を振り返ってニンマリと^^ 悪戦苦闘して実に濃密だった。今回の遠征では奥白根が最も面白かった思う。もう一度同じルートを山スキーでやるかと言われればNoだが(笑)

残った食料と水で最後の補給をしたらゲレンデ滑走。ノンストップで駐車場に着いた。
登り2時間下り8分と^^

まとめ
登山装備でアイゼン装着したピストン山行なら、難易度も低く、短時間にあっさり下山して百名山登頂の実績を得るだけの山行になった気がする。山スキーを担いでトラーバースにもがき、ルンゼ滑走して大正解。実に面白かった。

最後に「ココヘリ義務付け」について。今回は明確なトレースがあったが、降雪でトレースが消えると平坦な樹海と化しルートファインディングが困難になる。間違いなくGPS頼み。GPS不所持や電池切れ、地図ダウンロード忘れで遭難リスクが爆上がるので、ココヘリ義務化は納得だった。

車中泊・温泉・食料買い出し

※至仏山バッチは財布を忘れて購入出来なかった(T_T)

遠征費用


全体まとめ
『いつか達成したい』的な低めモチベーションではあるが「目標」としている日本百名山完登。昨年秋の肩痛が長期化した時は絶望的な気持ちになったが、ここまで回復して本当に良かった^^

老化に伴い、ハードな山行は計画段階で気持ちが萎えがちである。それを乗り越えて計画をし、実際に行動に移し、達成出来たことは、心身と体力の現状確認になったし自信となった。年齢相応の活動量・難易度に改めていくことも大事だが、挑戦する気持ちも大事。このバランスを取りながら「一度きりの人生」を「後悔最小」で歩みたい。

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