20.針ノ木岳スキー(強風敗退)

針ノ木岳

日本三大雪渓の一つ針ノ木大雪渓を滑ってきた。針ノ木岳(2820m)の登頂は強風に阻まれ敗退となったが前日夜の土砂降り雨からすれば爽やかな青空スキーが出来ただけでも感謝であろう。

■メンバ 単独
■用具  freeride164cm、ディアミール、ガルモントアドレナリン
■行程  2011年4月24日(日) 晴れ稜線はガス、稜線は強風、-6℃~+5℃

前日車中泊
05:48(1401m)扇沢駅駐車場発
07:07(1675m)大沢小屋
10:22(2587m)稜線着
10:39(2587m)稜線発
11:42(1401m)扇沢駅駐車場着

時間 5時間53分
距離 14.1km
累積標高差 ±1974m
0424gate.jpg5時55分1424m アルペンルート料金所ゲート
北陸近県で唯一晴マークの出ていた長野県に車を走らせた。目的地は針ノ木岳起点の黒部アルペンルート扇沢駅。現地前日夜は土砂降りの雨。21時就寝時点でも車中泊の屋根に雨音が煩くこんな状況で明日山に登れるのか?雪崩の危険は?など不安を抱えながら眠りに就いた。

翌朝は予想外の快晴だった。気温は-1℃。ラッキー。しかし山上部は雪煙が舞っており雲の動きも早く風が強そうである。今日は雪崩リスクもありそうだし行けるところまでという気持ちで出発する。
ネット情報から林道(沢の右側から)を詰めたが途中3回ほど窪地に進路を阻まれ時間をロスした。沢が雪に埋もれるこの時期は沢沿いに詰めるのが正解だったようだ(帰りは沢沿いに滑って降りてきた)。
0424tani.jpg7時2分1643m 雪に埋もれた沢
堰堤では水が見えたが他は完全に雪の下だった。雪は硬くクトーの噛む音が心地よい。昨夜の大雨から想像もしない青空。ありがたいことである。
0424hinangoya.jpg7時7分1675m 大沢小屋
先行はツボ足単独1名、自分より少し後に山スキーヤーとボーダーがそれぞれ単独で1名だった。下山時はこの他に10名ほどとすれ違った。
0424harinoki.jpg7時21分1755m 針ノ木岳
針ノ木大雪渓越しの針ノ木岳。この後、上部はガスに包まれ見えなくなった。
0424sekkei.jpg8時7分2080m 大雪渓を振り返る
中央の尖った山は爺ヶ岳(2670m)、左側の高い山は岩小屋沢岳(2630m)。高度を上げるにつれ傾斜がキツクなり風も強まっていく。

9時17分2367m 大雪渓終盤
-6℃と強風のため両手が凍りそうだ。グッパーして凌いできたがもう限界。オーバーグローブを装着する。布一枚プラスするだけだがすぐポカポカになった。厳冬期でも滅多に使わないオーバーグローブをこの時期に使うことになるとは。やはり山は侮れない。手を抜かず持ってきてよかった。

雪崩を意識し雪の状態を気にしてきたが、弱層はあるものの上層の雪が薄く軽く、雪がずれる現象も無く警戒するコンディションでもなかった。
0424ryousen.jpg9時57分2492m 針ノ木小屋方向に登る山スキーヤー
途中までご一緒した山スキーヤーはそのまま直登して、私は右方向斜めから稜線を目指した。この付近表面に10cmの新雪、その下に5cmクラスト層、更に下はサクサクの柔らか雪でストックは50cm刺さった。
0424ryousen2.jpg10時26分2587m 稜線
4時間半で稜線到着。終盤の急登はシールのグリップが悪く亀さん歩きだった。針ノ木山頂までは標高差300m、距離800m程だが、強風と視界不良のため敗退を決めた。山頂から大雪渓までのスキー斜面もデブリが多く難儀しそうだったことも理由。
写真を撮ったら稜線から少し降りたところでシールを剥がしスキー滑走である。
0424ryousen3.jpg10時45分 針ノ木への稜線
ガスが切れたタイミングで針ノ木山頂を捉えた(一番右の山)。
0424ski.jpg11時1分2132m 針ノ木大雪渓を振り返る
スケールの大きな素晴らしい雪渓だった。三大雪渓の他の2つ白馬も剱沢も将来必ず滑ってみたい。

【日本三大雪渓】
・白馬大雪渓  済
・針ノ木大雪渓 今回
・剱沢大雪渓  未
0424deburi.jpg11時24分1643m 大沢から大雪渓への大規模なデブリ
起点は山の陰で見えない。かなり上部からの様だ。末端のデブリの高さは2m近くもあった。
11時42分駐車場着。上部、中部はクラスト層に板がひっかかりスキーは難儀した。特に中部はレールの上を滑っている感じで板を全くずらせない。今シーズンワーストレベルのコンディションだった。しかし三大雪渓を滑走出来たことは大満足であった。
0424map.jpg時間 5時間53分
距離 14.1km
累積標高差 ±1974m

備忘録
・針ノ木岳はヤマクボ沢を登りスバリ岳とのコルから目指すルートと、針ノ木小屋まで登り稜線伝いに目指すルートがあるようだ。斜度はどちらも急だが後者の方が緩いらしい(山スキーヤー談)。
・稜線手前は急登。雪が硬い時はアイゼン必携。森林限界で立ち木も少ないため滑落には要注意。
今週末からのGWは仙台に帰省するため山はお預けとなる。明け5月8日天気がよければ山に行くか。膝痛覚悟駄目元で東面台地にチャレンジしてみる?

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