23.富士山スキー(吉田口・お釜滑走・剣ヶ峰)

富士山

念願の富士山スキーを楽しんできた。初めての富士山で剣ヶ峰登頂とお釜スキー、そして、遠く相模湾には江ノ島、三浦半島、剣ヶ峰からは伊豆半島、美しい曲線を描く駿河湾。山中湖、河口湖、南アルプスは言うに及ばずの眺望の数々。お釜のど真ん中では大人気なく「ヨッシャー」の雄叫びも飛び出す人生一番の感動山行となった。気象、雪質、積雪、体調(高度障害)など多くの条件が揃ったことに加え、山でご一緒させて頂いた「まーぼう」さん一行に出会えた幸運。もう全てに感謝です。

■メンバ 単独
■用具  freeride164cm、ディアミール、ガルモントアドレナリン
■行程  2011年5月15日(日) 快晴、前半一時強風、後半無風、0~10℃

15:00 富士スバルライン五合目駐車場着
20:30 車中泊就寝
04:40 起床
05:15(2312m)吉田口登山口(河口湖口登山口)
09:59(3721m)吉田口頂上
11:23(3546m)お釜の底
12:40(3776m)剣ヶ峰(富士山最高部)
13:42(3713m)吉田大沢ドロップポイント
15:12(2315m)吉田口登山口(河口湖口登山口)

時間 9時間56分
距離 16.0km
累積標高差 ±2459m

0515sbaruline.jpg14:44 富士スバルラインからの富士山
気温上昇で山スキー賞味期限が近い今、土日とも晴マークのこの週末はビッグな山行にトライ出来る数少ないチャンスだった。候補は新穂高温泉からの槍ヶ岳と富士山。前者は長い平坦路と谷の登坂があり下山に時間を要するリスクと雪融けによるブリッジの崩壊や雪崩れリスクに単独山行に不安があった。一方後者は強風と高度順応のリスク。富士山は独立峰のため強風が吹き易く天候によっては山頂を踏めない。また3700mは未知の高度で高山病リタイヤの可能性がある。悩んだ末、最後は日曜日に風が弱いという予報から富士山に決めた。

せっかく関東に遠征するならと土曜日は日本百名山の大菩薩嶺に登り、温泉で疲れを癒した後、富士スバルライン(写真)より富士山五合目の吉田口を目指した。こんな近くで富士山を見るのは何年ぶりだろうか。その雄大な姿に早くも鳥肌が立った。

0515akafuji.jpg18:25 赤富士
吉田口五合目に立ち並ぶ売店を徘徊し、富士山大社小御岳神社でお参りをし、17時には夕食をとり終えて車内でまったり。すると富士山が夕日で赤く染まった。

0515hinoiri.jpg18:35 雲海に沈む太陽
気温一桁、風もあり外は冷えた。明日はよろしくお願いしますという気持ちで沈む太陽を見送った。
夜はヘッドライトで三浦雄一郎の「冒険家 -75歳エベレスト挑戦記-」を読む。しかしすぐ睡魔が襲ってきた。昨夜は4時間しか寝てないので無理もない。酒も飲まずに20時半寝袋に入る。

0515asa.jpg5:11 朝の南アルプス
夜中2時半、車が揺れるほどの強風で目が覚めた。針ノ木、白山の強風敗退が頭をよぎるもまだ眠い。目覚ましの4時半までもう一眠り。

周囲のざわつきで目覚まし直前に目を覚ます。相変わらずの風に五合目でこれなら登頂は無理とも思ったが、他の登山者は出発準備に入っている。食事しながら強風リスクをあれこれ考えるが、ここまで遠征してもう行ける所まで行くしかないだろう。

白い南アルプスをカメラに収め登山口に向け出発する。気温は0℃。

0515yoshidaguchi.jpg5:15 2312m 吉田口登山口(河口湖口登山口)
風を除けば雲の無い青空の登山日和だ。さぁいくぜよ。

0515yoshida1.jpg6:26 2669m 吉田口登山道
平らな小道で六合目まで来るとその先は山頂まで急登が続く。登山道の雪は融けていた。気が付くと風も弱まっている。

0515kyuutou.jpg6:53 2739m 七合目の手前
この付近から雪が付き始めた。傾斜がキツク、岩場もあるためスキーは履かず12本爪アイゼンを装着する。

0515yamanakako.jpg7:42 3021m 山中湖
山頂でテント泊した方とすれ違う。昨夜はフライシートが裂けるほどの強風で気温は-5℃だったらしい。今の好天もいつまで続くか分からない。表情が変わる前に登頂を果たしたい。

0515jinja.jpg9:30 3564m 鳥居
六合目付近の休憩で「まーぼう」さんとその相方さんとお話させて頂く。神奈川から5度目の富士山で登頂は1回だけとのこと。やはり天候の影響。その後、相方さんとは距離が開き、七合目付近からはまーぼうさんと一緒に登る形となった。

0515yoshidachojo.jpg9:59 3721m 吉田口頂上
五合目から4時間45分で吉田口頂上着。この先まーぼうさんは北側からと剣ヶ峰直下からお釜を滑った後、吉田大沢の大斜面を滑るという。自分とほぼ同じルートなのでご一緒させてもらうことにした。
そしてここでカメラトラブル発生。電源を入れるとバイブレーターのように本体が振動し手振れ写真と化す。こんな大事な時に…。当ブログではまーぼうさんから頂いた写真を多数使用させてもらいました。

0515okama2.jpg10:26 3728m お釜

0515drop.jpg10:40 3694m お釜ドロップ
金明水に雪が付いていなかったためお釜の北西点からドロップすることに。写真の岩を降りて雪の急斜面の先の僅かな平坦地で板を履くのだが、腰が引けてこの移動に10分以上も費やしてしまった。「この人と行動して大丈夫だろうか?」と不信感を与えてしまったことだろう。まーぼうさんこの節はすみませんでした。

0515soko1.jpg11:23 3546m お釜の底
お釜は直径約800mその内壁は高さ200mの垂直な崖になっていた。この計り知れない噴火のエネルギーを想像しつつ、また日本一の山の噴火口にスキーで滑り降りた達成感は強烈で、大人気なく本気で「ヨッシャー」の雄叫びをあげてしまった。へんなおじさんですみません状態。しかしそうせずにはいられなかった。

0515noborikaeshi.jpg11:55 3642m トラの頭の横を登り返すまーぼうさん
お釜の底から剣ヶ峰までの登り返しは標高差約200m。

0515okama.jpg11:56 3643m 少し離れて私

0515suruga.jpg12:15 3720m 駿河湾と伊豆半島
約50分かけてお釜の淵まで登り返すと太平洋側の眺望が目に飛び込んでくる。疲れなど忘れる素晴らしさ。

0515noborioe.jpg12:15 3720m 剣ヶ峰をバックに
さぁ、日本最高点まであとちょっとだ。

0515kengamine.jpg12:40 3776m 剣ヶ峰
出発から7時間25分。日本最高点だ。快晴、無風。故障したカメラでのブレブレ写真もいい思い出だ。最高のコンディションと高度障害の無い丈夫な体、そして偶然の良きパートナーに感謝である。

0515soko.jpg剣ヶ峰からみた火口

0515kengamineski.jpg13:22 3729m 剣ヶ峰直下スキー
火口底まで再び滑って登り返すと14時半。そこから吉田大沢を滑ると登山口戻りは16時を過ぎる。雪も硬くなることから再スキーは取りやめ、吉田大沢に移動することにした。ゆっくり登坂中の相方さんとは無線で連絡し合流。

写真は右シュプールが私。左の大回りシュプールがまーぼうさん。快適ザラメでした。

0515oosawa.jpg13:42 3713m 吉田大沢ドロップポイント
さぁここからは標高差1000mの大斜面を楽しもう。北斜面の上部はストックが刺さらない程のカチカチのアイスバーンでターンの度に強烈な振動が足を襲った。

0515oosawa2.jpg13:51 3506m 吉田大沢1
相方さんはアイスバーンを感じさせないアグレッシブな滑りだった。このコンディションであのスピードは凄い。流石、エクストリーマーである。

0515oosawa4.jpg13:57 3206m 吉田大沢2
広大な大斜面です。

0515oosawa3.jpg14:02 3091m 吉田大沢3
雪は序々に柔らかくなりザラメ天国となる。自分も調子こいて高速ロングターンで攻めた。石も無く満喫しまくり。

0515suna.jpg14:26 2610m 七合目付近
一見すると距離がなさそうに見えたが滑り応えがあった。スキーはここまででこの先は砂歩き、所々残雪歩きである。

15:12 2315m 吉田口登山口(河口湖口登山口)
最高の山行を終えた。この先の人生「富士山」を見聞きするとこの感動が蘇ってくるだろう。

0515map.jpg時間 9時間56分
距離 16.0km
累積標高差 ±2459m

備考録
・まだ雪が多い4月後半から5月上旬、暖かな好天無風の日が狙い目
・六合目から山頂までは急登で雪が硬いと滑落の危険がある
・前日は五合目に宿泊し体を高度順応させておく
・アイゼン必須。お守りでピッケルを持ちたい
・強風対策を万全にする(防寒対策、避難場所、気象予報)

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