先週を上回る標高差1300mの膝~もも単独ラッセルで三方崩山の北峰1897mのピークを踏んできた。6時間半を要した。上部の尾根はホワイトアウトに近い状態だったが雲は薄く空が明るいので回復を信じて登行。核心部の1700m付近の細尾根は雪庇を避け樹林のある東側斜面をトラバースしたがここで足元でワレが発生ヒヤッとする場面もあったがシッタカ谷の下山スキーでは今シーズン1番の激パウを堪能出来た。今回も満足度120%であった。
■メンバ 単独
■用具 アンペレージ175cm/BD、TLT Speed/Dynafit、TLT5Mountain/Dynafit
■行程 2013年2月23(土)雪・ガス、-9℃~-5℃
05:27( 601m) シッタカ橋
07:27(1078m) 1078ピーク
09:06(1402m) 1402ピーク
10:35(1693m) 1693mピーク
12:07(1897m) 三方崩山1897m北峰着
12:40(1897m) 三方崩山1897m北峰発
13:35( 601m) シッタカ橋
時間 8時間36分
距離 11.2km
累積標高差 ±1546m
金沢市街の木、金はそれぞれ10cmの積雪があり、豪雪地帯の五箇山、白川郷の大量降雪も間違いなかった。日曜が晴れる読みがあったが家族サービスのため土曜に出動する。
先週の「やまやまお」さんの報告を拝見しシッタカ谷に魅力を感じたため、行き先は三方崩山の北側にある1897m峰に決定した。
http://musyozokusinjin.blog.fc2.com/blog-entry-40.html
前日移動し道の駅飛騨白山で車中泊。翌朝4kmほど北に戻りシッタカ橋近くの路側帯に停車し5時半ヘッドライトで出発する。標高差1300mは先週の大滝山以上。激ラッセルで登頂出来るのかという不安を抱いての出動であった。
06:25( 860m) 杉林
この付近の急登は太ももラッセル。ストックは余裕でグリップまで刺さる。
06:40( 919m) ラッセル
楽な時で膝の少し下くらい。-9℃だが体が温まってくると汗が吹き出る。開けられるチャックは開けて汗濡れを極力抑えでの登行。
07:27(1076m) 疎林のブナ尾根
周辺山域同様の素敵なブナ尾根であった。
07:32(1092m) シンボルツリー
ブナの巨木。厳しい気象条件を生き抜いてきた風格がある。
08:28(1307m) 平坦尾根
ラッセルは相変わらずだが久しぶりの楽な歩き。
08:48(1353m) 雪のワレ
表層10cmが軽いモナカで結合しておりラッセルで力がかかるとワレる状態だった。力を加えて強度確認した限りでは弱層は無くまたモナカ下部はグリップまで刺さる程の柔らかな雪でこの間は安定していた。
09:05(1397m) 十手ツリー
10m以上の巨木。御用だ! の十手に似ている。
10:15(1601m) 限りなくホワイトアウトな尾根歩き
強風のコルを過ぎると再び無風になるが同時に激ラッセルも再開する。ほんと容赦がない。コルは一瞬雪が硬く楽が出来たが距離にして20mほどであった(笑) 急登の先は広大な疎林尾根で限りなくホワイトアウトだった(写真はガスが切れたタイミングで撮影)。地図上は広い尾根であるが左手に雪庇がある前提で距離を保ち立ち木を目標にしながら高度を上げる。
10:49(1710m) 1700mの核心部スタート
事前調査の核心部は1700mから。下地が硬くなる前提でクトーを装着する。案の定、硬い雪で板が滑るが緊張するような事もなく拍子抜けだった。
10:49(1710m) 核心部は続く
このレベルならもう登頂は間違いないだろうと思われたが、真の核心部はこれからだった。まずは写真の登り。急勾配で板が滑るのと雪庇が怖いので右の樹林帯から巻くが、深雪とモンキーラッセルに苦しめられる。
11:05(1729m) 表層50cmが雪崩れる
小さな急登を右から巻く際、足元からワレが発生滑り台の如く流れた。とっさに木を掴んで難を逃れる。硬い雪の上に新雪が積もった状態。この硬い雪が弱層になっていた。
「直登出来ない急登で敗退」と決めて行ける所まで進むことに。急斜面をクリアすると次なる斜面が出現を何度か繰り返す中、ホワイトアウトで状況が分かり難い場面では暫く立ち止まって視界回復を待ち尾根の形状を確認してから行動する。
12:00(1889m) 頂上手前の雪庇
1800m小ピークから先は再び樹林帯となりほどなくして稜線直下(写真)に到達。写真では雪庇が発達し危険に見えるが実際はそうでもない。
12:07(1897m) 三方崩山1897m北峰山頂
約6時間半で登頂。「下山して温泉に入ろう」「登頂が無理でも行ける所まで行くべき」が交錯する中、なんとか登頂を果たせた。ワレの後、登行を続けた点は賛否両論あろうが、硬い雪の上に吹きだまった雪のワレであり、基本的に安定していたので気持ちに余裕を持って登行を続けることが出来た。
山頂を通り過ぎて三方崩山の本峰や白山を見に尾根を進むがガスで叶わず。もちろん眼下の眺望も無かった。写真は稜線のシュカブラ。凹凸は1mに発達していた。
雲は時折切れた。風は無い。冬型予報に試練の登行を想定したので実にラッキーであった。
さて下山スキーだがシッタカ谷か登行尾根かで判断に悩んだ。ワレ事件を考えると尾根となるが、ワレ原因は上述した通りであり登行中確認した際も安定しており、リスクは通常の大雪後の雪崩れと思えた。その点雪質はパウダーでモナカも表層10cm程度のため谷を選択する。
12:47(1557m) 滑り始め
サラサラのパウダー。激烈なフェイスショットで全身雪まみれであった。全てのチャックを閉めておいて大正解。
12:52(1037m) シッタカ谷
素晴らし過ぎる大斜面。ノントレースのパウダーを足が疲れるまで止まらずに独り占め滑走。贅沢なひと時であった。谷の上部にある喉は予想以上にV字に深く斜度もあるので雪のコンディションには十分注意しなければならない。今回はサラサラ雪が流れる感じで問題なかった。予想通り。
12:55( 817m) 谷の下部
シッタカ谷よ感動をありがとう!
谷を滑ると平らな林道にぶつかる。もう下りラッセルは勘弁と沢に沿って滑るが、徐々に細くなり、亀裂の入った雪壁が崩れそうな箇所に危険を感じ引き返すことに…。しかし雪が深過ぎてカニ歩きが出来ず、板を外せば胸ラッセルとこの期に及んで10分以上もがき苦しんだ。
13時半下山完了。8時間半におよぶ完全一人旅の長い山行を終えた。
三方崩山スキーは2回挑戦し2度敗退、夏山では熊遭遇と因縁の山。北峰も表層雪崩や膝~太ももラッセルなどすんなりとは行かない山行となった。山スキーでの本峰トライは、急登細尾根の夏道ルートはリスクが高いので今回のルートで稜線からのアプローチがいいと思った。残雪期の候補に上げておこう。
シールトラブル
右足インエッジがめくれて雪が入りそれが拡大するモード(中盤で発生)。先週の大滝山では両方の板で発生した。板よりもシールの幅が若干広いことが影響しているのか? 前回同様バンドで剥がれ拡大を抑制して対応。大きな問題には発展しなかった。
バンド固定策は「えだ」さんのレポを参考にしました。
備忘録
・駐車場所はシッタカ橋から北に100mほどの路側帯
・スノーシュー登山者がいた模様(人数不明)
・シッタカ谷は喉以外は危険が少ない印象。デブリ跡も無かった。


コメント
1729m付近トラバース時のワレはオッカナイ(;^_^A
かなり急な斜面だったと記憶しています。。。
そんなコンディションの中、あの尾根を降るのも気持悪いですよね。
シッタカ谷に入られて、結果オーライだったのではないでしょうか^ ^
それにしても自分達が行った一週間前より、更に雪が増えハードな条件の中、単独登頂&シッタカ谷滑走されるとは超人ですね(≧∇≦)
やまやまおさん
中盤の尾根のモナカは表層10cmが割れるだけで、
何度か負荷試験試しましたが雪質的にも滑り台現象にはなりようが無い
コンディションだったので不安は感じませんでした。
上部尾根のトラバースの危険性はやまやまおさんの報告に指摘されてましたね。
今回は雪崩れというよりも滑落に注意と感じてました。
今振り返っても、あの現象だけでの下山判断は不要と思っていますが、
谷の滑走については事前調査がネット情報だけだったので微妙な判断だったかもしれません。
日陰の谷は予想通りの終始サラサラパウダーでしたが、V字に深い箇所もありましたので。。。
これからの時期は気温上昇で雪が重くなり雪崩れ易くなりますので
私情を挟まないフラットな状況判断をしなくてはと思います。
同じようなシールのトラブルを天狗原山で経験しました。その際、私がとった対策は、テーピングテープ(足首用)での補強でした。
テーピングテープは、スキーの表面にも接着しますのでしっかりシールを固定することができました。
それ以来、リュックの奥底に偲ばせています。怪我をしたときの応急処置用ですが、色々用途があるようです。
先週は、あまりにも天候が悪く、(栂池鵯尾根)撤退でした。(笑い)
日曜日 YASUHIROさん達が、我が地元の「毛勝山」チャレンジだったようですが、これも撤退だったようです。(私達にとって毛勝山は、4月からの山です。)
私は、県内はだめそうなので、裏側に逃げたのですが、何処もだめだったようです。
レッドバロンさん
名前がアルファベットでしたので一瞬?でした^^
なるほどテーピングをいろんな用途に活用する手ですね。
専用化してしまうと荷物が増えるので、汎用性の高いものに絞るのは合理的でいいですね。
私は防水性があり高粘着力のテープをザックに忍ばせていますが、
一度も使ったことがなく、100%ザックの肥やし状態でした^^
バンドは手軽なのでシール剥がれの応急措置にはオススメと思います。
毛勝山はよく耳にする山ですよね。
一度トライしたいとは思っていますが、しばらく先かな~