標高差1200mの大半が膝~太ももと予想を超えるハードラッセル。6時間ひたすら漕ぎ続け北アルプス、白山、日本海の360度パノラマの山頂を踏むことが出来た。辛いラッセルの分だけ大きな達成感、素晴らしい眺望、今回も大満足!
■メンバ 単独
■用具 アンペレージ175cm/BD、TLT Speed/Dynafit、TLT5Mountain/Dynafit
■行程 2013年2月17(日)晴れ、-10℃、無風
04:34( 283m) 神社脇
06:47( 772m) 林道交差点
08:46(1099m) 1099m点
09:55(1358m) 稜線
10:41(1498m) 大滝山山頂着
11:13(1498m) 大滝山山頂発
11:27(1358m) 稜線
12:01( 283m) 神社脇
時間 7時間27分
距離 10.6km
累積標高差 ±1432m
大滝山は1500mと標高は高くないが標高差は1200mと登り応えがあり今シーズン中にチャレンジしたいと思っていた。先週計画したものの現地着が夜中となり、入山ポイントが分からず、暗くて尾根の目視も不能。準備不足にリスクを感じたため急遽、日照岳に変更した経緯がある。
今回は前日に周辺山域で激パウという情報を入手。大滝山も厳しいラッセルが予想されたが、根性で登頂すべく早朝出発でアタックすることにした。入山ポイントと取り付きの尾根は、先週日照岳の帰りに確認したので準備万端で挑める。
現地着は22時半。神社の前を過ぎ除雪末端で車中泊。路上はデリカの腹が擦れるほどの新雪であらためて翌日の激ラッセルを覚悟し、3時50分起床、4時半出発で就寝。
06:54( 780m) ほのかにモルゲンロートな高坪山
4時半にヘッドライトで出発。最初の一歩から膝ラッセルだった。稜線は風で飛ばされ硬いかもしれないがそこまでは深いラッセルが続きそうである。
尾根は比較的急で樹林は濃くスキー滑走には不向きな感じ。尾根の上部に登り上げる頃には明るくなり、標高1013mの高坪山がほのかにモルゲンロートに輝いていた。予報は曇りだが良い方に外れる予感である。
07:18( 840m) 杉林
尾根は細くなったり広くなったりの繰り返し。樹林帯に入ると一時的に激ラッセルから開放されるが、それでもブーツラッセルと厳しい。
07:51( 954m) 樹氷の尾根歩き♪
樹氷と眺望は見事だがラッセルは相変わらず…。ベンチレータ全開、シャツの前ジッパーを開け、腕まくりをしながらの汗かきラッセル。気温-9℃だがとにかく暑い!
振り返ると
08:01( 984m) 高坪山と同じ高さになってきた
ようやく1000m地点である。ここまで標高差700mに3時間半を要した。それにしても眺望は見事である。今日は当り日だ。
09:25(1211m) 果てしない激ラッセルが続く
左手に目をやると遥か彼方に立山連峰と剱岳(望遠で撮影)
09:57(1364m) 稜線
5時間半でよーーーやく稜線。写真の斜面を登り上げれば平坦になり山頂も近い。稜線も締まった雪はほんの一瞬で膝下のラッセルが続いた。
振り返ると日本海
疲れを吹き飛ばしてくれる眺望。今日という日にこの山に登れて良かった。
10:16(1408m) 稜線の延長線上に剱岳
なかなかお目にかかれないシチュエーションだろう。
10:55(1498m) 大滝山山頂
約6時間半で山頂着。標高差1200mを単独膝ラッセルしっぱなしは今回が初だろうか。込み上げる達成感・満足感は大きいものがある。山でストレスを解消し、汗をかき苦しいラッセルに耐えて体と精神を鍛え、そのモチベーションで日々の仕事に励む、このポジティブサイクルを回し続けたいものである。
山頂は360度のパノラマだった。遮るもの無し!
白山方面
日本海
人形山
この稜線を歩く周回山行も興味深いものがある。アップダウンが多そうだがクロカンと割り切れば十分に楽しめそうである。
30分ほど写真と休憩をして下山スキーへ。尾根は基本的に細く、外れると沢まで降りて平坦路をラッセルすることになりそうなので登行した尾根を忠実に滑るルートとしたが、濃い樹林帯と微妙なアップダウンで快適とは行かない滑りだった。個人的には眺望を楽しむ山という印象である(1本東の北東尾根は疎林スキーが出来るらしい)。
滑走途中、小松ブルーベル山岳会の一行とお話させて頂く。ブルーベル山岳会といえば2年前の
2011/02/20 12.白木峰・小白木峰スキー
の下山スキーでお世話になったことがあるが、お話した方がその時のお一人ということが後から分かった。山スキーの世界は狭いですね。その節は大変お世話になりました。
50分ほどで登り口着。6時間半かけて登ってもお楽しみはあっと言う間であった^^
備忘録
・今回の尾根は「北北東尾根」と呼ばれるらしい。一本東には1350mの稜線で合流する「北東尾根」がある。こちらは猪谷集落の北側の神社付近からの入山となり、北北東尾根よりも斜度が緩いが距離があり、650m付近に約1kmの平坦路がある。
・北北東尾根は全体的に細く疎林は少ないためスキー滑走は殆ど楽しめない
・尾根、山頂からの眺望が素晴らしいため好天の日が狙い目
・771mの林道交差後の尾根取り付きはすぐ頂点に登り上げる方が安全。傾斜が急で登り難いが後の方がもっと厳しくその間の急斜面トラバースは雪崩れリスクがありそう(デブリは無かったがクラックはあった)
コメント
日曜日、大滝山でお会いした小松ブルーベル山の会のグループで先頭を歩いていた者です。
ラッセルのお蔭で私たちも無事山頂を踏むことができました。
本当にありがとうございました。
私たち、下りは北東尾根を利用しましたが、途中に平坦地があるものの、ブッシュが少なく北北東尾根よりは滑りやすいと思いました。
いつもブログを愛読しています。これからもよろしくお願いします。
Repuさん
その節はお世話様でした。
小松ブルーベルの方には丁度2年前、白木峰から小白木峰への山スキーでお世話になったので、ラッセルでお役に立てて良かったです^^
私が滑った尾根は疎林が殆どなく山スキー向きではない印象でした。
北東尾根は今後の参考にさせて頂きます。
この日はどの山も最高だったようですね。私もロングコースの「初雪山」でした。この週末は、「大滝山」にチャレンジしてみたくなってきました。登り返し等はなさそうですね。
それにしても、同じ日に立山往復はさすがとしか言いようがありません。
私達は、3人で7時間の登りが限界のようです。
レッドバロンさん
私も初雪山、白鳥山あたりもいいかなと思ってたんですよね~
ただどちらも登ったことがあるので未踏の大滝山にしました。
大滝山は眺望が素晴らしいので是非好天の日に登って下さいね。
お早うございます。大滝山の報告を楽しみながら、拝読させて頂きました。
相変わらず、貴男の登山に対する姿勢に感銘を覚えた次第です。
小生もすっかり老いぼれてしまいましたが、気持ちだけは 何時までも昔と変わる事のないように心がけています。
残念ながら体力の低下は、如何ともし難いものですが、例え標高が下がってしまったり、難易度の低下した山域になっても、それなりにしっかりと気構えて入山しています。
今後とも一層精進なされ、アルピニストの域に達するように。
ますますのご活躍に期待しております。
多摩太郎さん
いやいや単に山が好きなだけですよ(笑)
多摩太郎さんこそ日々のトレーニングやマラソン参加など
アクティブで素晴らしいではないですか!
体の不調や体力低下で以前の様に動かなくなると気持ち的に苦しくなると思いますが
これまでのレベルが高いだけで、まだまだ同年代以上でしょうから
出来る範囲で継続してくださいね。