著者は登山家山野井泰史氏の父親である。8000m峰ビッグウォールの登攀は氷点下30℃、雪崩れ、高山病などの危険に晒され、これまで多くの挑戦者が命を落としてきた。そんな挑戦者を息子に持つ両親の思いを綴った本。著者が自費出版した『五分五分』が山と渓谷社の目に留まり『親が子のいのちと向き合って生きる日々の記録は、親子の関係を見つめ直すとともに、絆とは何かについて考えるうえで貴重な羅針盤となる』として出版に至ったとのこと。
単純な興味から読んだが、「命と絆」「一度きりの人生をどう生きるか」「本当の幸せとは何なのか」などについて考えさせられる実に素晴らしい本だった。登山とは関係無く子を持つ全ての親に、また降りかかった困難に心が折れそうになっている方にもお勧めしたい。
購読日 2012年8月
おすすめ度 ★★★★★