富士山 Sea To Summit達成! 「急坂は降りて押す作戦」で往復18時間という膨大な時間をかけ内容はイマイチ感満載ではあったが、数年来の悲願を世界遺産登録後最初のSea To Summit達成者というおまけ付きで果たすことが出来た。
■メンバ 単独
■行程 2013年6月22,23日(土日)快晴、五合目10℃山頂0℃、弱風
17:29( 0m) 田子の浦発
19:20( 478m) 地図上478m点の三叉路
20:33(1000m) 富士宮口一合目
22:12(1480m) 富士山スカイラインゲート(出発から4時間40分)
22:55(1672m) 残り10km道標
00:04(2017m) 残り5km道標
01:08(2400m) 富士宮新五合目登山口着(出発から7時間40分)
01:33(2400m) 富士宮新五合目登山口発
05:13(3776m) 富士山剣ヶ峰山頂着(出発から11時間40分)
05:34(3776m) 富士山剣ヶ峰山頂発
08:30(2400m) 富士宮新五合目登山口着
09:02(2400m) 富士宮新五合目登山口発
09:24(1480m) 富士山スカイラインゲート
09:46( 478m) 地図上478m点の三叉路
11:34( 0m) 田子の浦着
時間 18時間4分
距離 115.7km
累積標高差 ±4567


◆なぜ富士山Sea To Summitか
人生の思い出として、日本で一番高い富士山に海抜0mから一日で往復したかった。初めての富士山は2011年5月の吉田口からの山スキーで、御釜に滑り降り剣ヶ峰に登り返して吉田大沢を標高差1000m大滑走。好天、無風、眺望抜群で大満足であったが、標高日本一とはいうものの、駐車場のある2312m登山口から山頂までは標高差1500mほどしかなく、苦労が少ない分、ドボドボあふれ出る様な達成感は得られず、日本一高い山に「真」に登った感動を味わうには海抜0mからのSea To Summitしかなく、絶対に達成しようと誓ったのがきっかけである。
◆いつチャレンジするのか
「今でしょう」と言いたいところであったが時限爆弾「膝痛」が大きく立ちはだかることになる…。MTBを1000mも漕ぐと膝痛が発生し行動不能な痛みで終了となってしまうのだ。こうなると気合や根性では解決できない。では鍛えますかとエアロバイクを漕げば、疲労蓄積で膝痛し易くなる有様…。漕ぎ方の工夫、サポートタイツなどを駆使し「これでどうだ!」と挑んだ昨年の乗鞍スカイラインで撃沈、さらに鍛えて望んだ今年の薬師岳有峰林道でも膝痛敗退。富士山STSの半分にも満たない難易度でお先真っ暗、実現は厳しかった。しかしこのまま先送りしても体力や脚力でハードルは高くなる一方。考え方を変えることにする。
駿河湾(田子の浦)から富士宮五合目登山口までは距離50km、標高差2400m。膝痛なしで漕げたことのない乗鞍スカイラインと比較しても距離2.5倍、標高差2倍と絶望的な数字にも見えるが、極端な話、MTBを漕がずに歩けば時間はかかるが達成は可能と思われた。そこで漕ぎは膝負担の少ない斜度に限定し急坂は降りて押せば勝ち目アリと判断するに至る。
もう達成出来れば何でもアリの世界だった。STSは0時発が多いが、ご来光狙いから逆算して17時出発とし、日が変わるのでワンデイにはならないが、それもヨシとした。とにかく富士山STSの呪縛から早く逃れたい気分だった。
◆スタートまでの行動
金曜日夜金沢出発。東海北陸道で静岡を目指す。睡魔の度に仮眠しながら新東名の新富士ICで高速を降り、ルートと勾配確認のため車で富士宮登山口に向かった。勾配は9%、10%と表示される坂もあり結構キツイ。予定通りに行動しないと早々に膝痛敗退する感じだった。
五合目は気温10℃と寒い。山頂は0℃近いだろうから風によっては体感温度は氷点下。軽量化はほどほどに装備を決めることにする。
世界遺産登録で注目真っ只中の富士山。山開き前にもかかわらず人が多く、五合目駐車場はビッシリであった。売店、自動販売機は稼動。昨年YASUHIRO氏が自動販売機非稼動で泣いた報告を読んだが、今回はここで補給や調達が出来そうである(実際は出来なかった。後述)。チェックを終えたら田子の浦までルート確認しながら車を走らせた。
田子の浦には臨海公園があり砂浜に降りることも出来たが、拘らなくてもいいやと「水面タッチ」の儀式はやめる事にして、とりあえず1時間ほど仮眠し夕方の出発に備えることにする。
18:27( 249m) 県道72号沿いに住宅街を進む
まだギラギラと暑い夕方17時半田子の浦を出発する。いよいよである。サイクリング気分でノンビリとペダルを踏み、市街地から住宅街に入る。と突然、町内放送が流れた。「先ほど、、、、、富士山が、、、、、正式に、、、、、世界文化遺産に、、、、、登録されました」。おぉそうですか。グッドタイミングではないですか。世界遺産登録後の登頂一番乗りは無理としても、駿河湾からのSea To Summitはチャレンジャーがいないか、いたとしても午前0時に海出発だろうから登頂は私の方が早いはず。無事登頂出来れば世界登録後、最初のSTS達成者というオマケが付いてきそうである。
19:56( 704m) 満月の素晴らしいコンディション
出発直後パラパラと雨が降り嫌なムードだったが、その後は予報通り雲も消え、まん丸のお月様が輝き、ヘッドライト無しでも走れる明るさだった。風も無く最高のコンディション。富士山は天気が良くても強風で山頂を踏めないことがある山。このラッキーを結果に結び付けなくては。
20:33(1000m) 標高1000m一合目
県道180に入ると勾配が増す。漕いだり押したりは進捗がカメで気持ち的にシンドイものがあった。時間は経てどゴールまでの距離は縮まらない。これが作戦とはいえ忍耐の世界であった。今のところ膝痛はなく順調。さぁ頑張らないように頑張ろう。なんだそりゃ。。
23:52(1943m) 富士市の夜景
22時過ぎ1480mの料金所跡(富士宮口二合目)を通過。残るは五合目登山口までの13km、標高差1000m。行動時間は既に5時間を超え脚はパンパン、柔軟運動で脚は軽くなるがすぐ棒に戻った。睡眠少なく強烈な睡魔に襲われ道路に寝そべりたい衝動に駆られるが、死人と間違われるのでグッと堪える。
写真は馬返付近からの富士市の夜景。
01:08(2400m) 新五合目登山口
遂に到着。時間がかかり過ぎて何時間かかったのかがピンと来ないが17時半出発だから7時間40分らしい。ある意味凄い。しかし標高差2400m、49kmに7時間半かけることで膝痛を封じ込み最難関を突破することが出来た。
ここまで真夜中の富士山スカイラインを自転車で漕ぐ変人は自分以外にいなかった。しかし自分の価値観で面白いと思うことは面白いのである。迷惑をかけない行為であれば周囲を気にせず行動すればよい。一度きりの人生楽しまなければ勿体ないぜよ。
さてここで問題発生。自動販売機の電源が切られ飲み水の調達が出来ない。昨年のYASUHIRO氏を見て昨日稼動を確認し、釣り切れも考えわざわざ小銭まで準備してきたのに…。水は500mlを2本持参したが、既に1本半を飲み残りは250mlほど。まぁ何とかなるか。気温は10℃で手がかじかむ寒さだ。
MTBに括りつけていた小型ザックを下し、ストックを伸ばす。セパレート式のズボンに裾を付けて長ズボンにしアウターを着た。MTBを隠し少し食べて準備完了。ここからはマイペースで登れば山頂を踏めるはず。標高差は1300mほどと別当からの白山よりも低い。
03:59(3367m) まもなくご来光
真っ暗闇をヘッドライトで登る。上部を見上げると先行者の明かりがユラユラと確認出来るがその数は片手で数えるほどであった。ガレガレの溶岩道を登り3つの山小屋を過ぎた頃、空が焼けるように赤くなり始めた。間もなくご来光である。しかしこのルート、てっきり登行中に朝日が拝めると思いきや右手の斜面に隠れるではないか…。んー残念。山頂まで残り400m間に合いそうにない…。
04:35(3574m) 影富士
気落ちしていると見事な影富士が飛び込んできた。嬉しいプレゼントであった。
04:36(3574m) ご来光タイムアウト
悔しい…。
04:58(3715m) 浅間大社奥宮
3時間半で神社着。最後の急登はカチカチに凍った残雪路で空気も薄く辛かった。着いてすぐ朝日を探すが富士山自身に隠れてまだ見えない! なんだかな。。 ついでに雲も出始めたorz
05:17(3776m) 富士山剣ヶ峰山頂
五合目登山口から3時間40分、田子の浦から11時間40分で剣ヶ峰着。しかーし長かった。長すぎた。嬉しくないと言えば嘘になるが悲願達成やったぜ!という感動は少ない。我慢我慢の忍耐山行だったせいだろうか。根性でMTBを漕ぎもう勘弁と思えるようなプロセスを踏まないと、、、ということなのだろう。しかしSea To Summit達成という事実は事実。酒の肴に活用させてもらおう^^
御釜
雪は硬いアイスバーン。落石が多く黒く汚れている状態だった。写真矢印が2年前御釜滑走した時のエントリーポイント。山でお会いし同行させてもらった「まーぼー」さんは元気だろうか。
神社から御釜の雪の状態
駿河湾を望む
05:51(3668m) 下山開始
剣ヶ峰付近に人は少なく発表後から30番以内には登頂しているだろう。ということで世界遺産登録後、30番目以内登頂、Sea To Summit最初の達成者と思うことにしよう。
5時半山頂発。左膝に痛みが出てきたので低速モードでスタート。神社直下のアイスバーンを慎重に下り、ガレガレの溶岩道へ。世界遺産登録翌日の日曜ということもあって登山者は多く、7時くらいから頻繁にすれ違うようになり、上空には報道ヘリ?も飛んでいた。
09:02(2355m) 駐車場は満車状態
五合目着は8時半。剣ヶ峰から2時間半だった。左膝はもう膝痛状態ここまで持ってくれれば十分だろう。ありがとう!
車でビッシリの駐車場で下山準備。気温も上昇したのでアウターを脱ぎ、セパレートを外して半ズボンでダウンヒルを開始したがこれが大失敗であった。「上昇」といっても10℃、ガスで日差しがなく果てしないロングダウンヒルで体は冷えまくり。何度もアウターを着ようと思ったがそれも面倒、もう鼻水大会であった。。
11:31( 0m) 田子の浦着
登り返しのある往路を避け別ルートを走行すると信号も車通りも多く、ついでに道にも迷って散々な復路走行になってしまう。まぁ目的が達成出来たので、ご来光の見逃しや道迷いなどは小さな話と考えよう。
写真は膝に貼ったキネシオテープ。ネット見真似でシワが出るように貼ってみた。今回はスキーを担いでないし、MTBを押した距離も長いので比較対象が無く効果は不明であるが、膝が温まる感覚があったので血行(リンパ液?)が促進しているかもしれない。
トータル18時間の山行終了。何とも言えないモヤモヤとした後味が残ったものの、目的を達成し、オマケも付き、いつもと違うタイプの濃厚充実山行であった。今後何かの間違いで膝が強くなり膝痛を気にせずMTBを漕げるようになれば再チャレンジしたいところだが、その可能性が高いか低いかは自分がよく知っている。
◆服装
ヘルメットは登山用、BDスキーグローブ、CW-X、セパレートタイプの夏用ズボン、半袖半ズボンで五合目(2400m)まで登る、ここで長ズボンにし長袖1枚とアウターを追加する、3000mくらいで長袖をさらに1枚追加、靴はローカットの登山靴
◆装備
MTB予備チューブ、タイヤ外しレバー、空気入れ、予備長袖、水500ml×2本、食料、アウター上下、ストック、ヘッドライト、GPS、デジカメ、予備電池単三3個、携帯電話、ティッシュ、タオル、小型リュック、ウエストバッグ、現金、絆創膏
◆膝痛について
今回はいつもと逆の左膝痛になった。登山道を半分ぐらいまで登った頃に確実な違和感となり、その後は悪化しないように対応し拡大は防いだ。いつもの右膝は最後まで全く問題なし。左膝については、実は「しこり」というか「膝痛の芯」があるような僅かな違和感を2週間くらい感じ続けていた。念のためMTB通勤を1週間休み様子を見たが、完全には解消せず、更に1週間経っても変化がなかったので、膝痛に似た別の違和感だろうと気にするのを止めたのだが、今回この「しこり感」が膝痛に発展した。よって「しこり感」が無い状態であれば、左膝痛は起きなかった可能性があることを最後に記しておく。


コメント
やったのか・・・
全くコメント無いけどどうだったの?
やはり爆弾が?
少し太った?
まあゆっくり聞かせてくれ。
来週、広島行くから帰りに通ったら電話するよ!
グレートな達成おめでとうございます!
キネシオもばっちり決まってますね^_^
軽装登山隊さん
おひさし。コメント追加はこの後ね。
一応目標は達成出来たけど、歩きが多かったので胸を張って「やりました!」って感じでもないかな…。
でもここ数年のMTB山行の結果からすると、今回の作戦がベストで、まともに漕いだら五合目登山口に届かず涙の膝痛敗退だったとは思います。
興味沸いたら一度、MTB泉ヶ岳往復(コンビニからね)、もしくは蔵王エコーライン料金所跡からのMTB蔵王熊野岳往復にチャレンジしてください。You can do it ですよ。
太田さん
とりあえず目標は達成出来ました^^
太田さんのコメントがヒントになって、漕ぎ方(足の使い方)を点検して小修正し、膝痛のメカニズムを調べ直し、キネシロを導入しました。感謝です。ありがとうございました。
白山STSが出来れば富士山STSも可能だと思いますよ。交通費、ガス代など出費がデカイですが、人生の思い出(壮大すぎる?(笑) に検討してみてください。
狂ったか…次はウルトラマラソンだな
これまた執念の登頂成功記録ですね。
無事登頂下山、おめでとう御座います。
あさまささん
いや次はあさまささんのトレランデビューでしょう。
話し変わって、2015年と2年先ですが第一回の金沢マラソンありますよ。公認コースを申請して毎年開催さると思うので、今から鍛えてフルマラソンいかがですか?
Sea To Summit達成おめでとうございます!
本当に素晴らしい挑戦に感動です!!!
こんな人生の思い出、最高ですねっ☆
なにより怪我もなく無事で良かったです。
お疲れ様でした!
那ぁさん
今年の年始、我が家では筆で目標を書いて壁に貼ったのですが、私の目標の1つが富士山STSでした^^
家でも話をちょくちょくしてたので、一発で成功して胸を撫で下ろしてます。。
子供も目標立てて頑張っている中、親が失敗する姿は見せたく無いと思ってたのでプレッシャーでした^^
おかんさん
あまり格好のいい形ではなく恥ずかしいのですが
自分の現状ではここまでですね。
そしてあまり考えないようにしてますが、
次は「日本海からの白山」に心が動いてしまうのは困った性格です(笑)
おお!やりますか(^^)
Sea To Summitをかじってしまった以上、富士山は達成しておきたいところ。是非!
やりましたね。。。! !
膝は。。。あまり無理しないで下さい。
後々が怖いです。お身体大切に登って下さい。
多摩太郎さん
ありがとうございます。
将来泣きを見ないようにセーブもしていかないとですね。
「気付いた時には手遅れ」は避けなければなりません!
お疲れ様です。
STS成功おめでとうございます。
23:30スタートの経験はありますが、17:30スタートは想像を絶する時間ですね。すごすぎてコメントのしようがありません。
山スキーも無事シーズンを終えたみたいですし、トラブルがなくて、何よりです。
シーズンインまであと、4ヶ月と3週間。次のシーズンに備えて、体力作りに励みましょう!
キムキムさん
世界遺産登録で混雑するかもしれませんが、是非チャレンジしてみてください!
それほど楽しいものではりませんが話しのネタにでも^^
降りずに漕げれば私より2、3時間遅く出発してもご来光に間に合うんじゃないかな。是非!
今年は私もジャンダルムにチャレンジしますよ。
混雑しない時期と時間帯を探してになりそうですが
槍からの大縦走も魅力的ですよね。
悩ましい話です。
今日はふらっと石鎚山に行ってきました。霧の中、深夜に到着の予定でしたが残り10キロを切ったところで、落石による道路崩壊の為進退極まり、アプローチ敗退となるところでした。
視界10m程の霧の中、車位の大きさの落石三個の壁がガードレールをなき倒して進路を塞いでました。林道入口のゲートには通行止めの表示がなかったので数時間前の崩落ではないかと思われます。
巻き込まれたら大惨事でした。
槍→穂高だと、槍山頂でご来光のタイミングだと、大渋滞するみたいなので、穂高→槍の方がスムーズに動けるみたいなので、そのルートでトライするつもりです。
去年行った白出沢→奥穂高→西穂高のときはジャンダルムの手前でご来光のタイミングだったので渋滞ゼロ。
後続も見えないぐらいの距離だったので落石を落とされる心配もなし。
西穂高山荘からの最初の登山者とすれ違ったのは天狗のコルを過ぎたところでした。
奥穂高でご来光ぐらいなら、渋滞なしで他人の落とした落石の心配しなくていいと思われます。
キムキムさん
車くらいとはヤバイ大きさでしたね。
タイミングよく当る確率は低いとは思いますが恐ろしい話です。
今年は穂高→槍ですか。
今回も早朝出発のワンデイと思いますがキムキムさんなら問題ないでしょう^^ 問題は予期せぬ渋滞ぐらいか?
奥穂でご来光の件、情報感謝です!
このルートは落石管理がポイントになりそうなので、
キムキムさんのスケジュールが正解かもしれませんね。
槍からのテント泊縦走も面白そうなのですが、
荷が増えることと、渋滞・落石を考えるとリスクが高くなりそうです。