17.奥穂MTBスキー(直登ルンゼ滑走、上高地起点1day)

穂高岳

今回の核心部は穂高岳山荘からのピークアタック。2つの氷壁は緊張のシチュエーションで実にシビレタ。やま工房の山岳ガイド中島さん一行が先行していなければ敗退だっただろう。直登ルンゼ滑走も含め大変お世話になった。ありがとうございました。

■メンバ 単独
■用具  freeride164cm/SKI TRAB、Explore/DIAMIR、TLT5Mountain/Dynafit
■行程  2012年5月19日(日)快晴、-1℃~

02:33(1315m) 釜トンネル
04:16(1597m) 横尾
05:20(1787m) 本谷橋
06:57(2267m) 涸沢ヒュッテ着
07:14(2267m) 涸沢ヒュッテ発
09:14(2962m) 穂高岳山荘着
10:07(2962m) 穂高岳山荘発
10:59(3190m) 奥穂山頂着
11:22(3190m) 奥穂山頂発(直登ルンゼ滑走)
11:47(2267m) 涸沢ヒュッテ
12:21(1787m) 本谷橋
13:17(1597m) 横尾
14:24(1315m) 釜トンネル

累積標高差 -
時間 11時間51分
距離 -

白山、薬師、奥穂の候補から白山は積雪量が心配、薬師は林道開通後効率的にと消去法で奥穂を選択。2週連続の上高地になるが涸沢、ザイテングラード、そしてピークアタックなど槍沢とは別の楽しみがある。
20時30分金沢出発。経費節減のため福光ICまで下道を使う。現地着は22時半、翌日の準備をして23時過ぎに寝袋に入った。目覚ましは1時50分。

0519kamaton.jpg02:33(1315m) 釜トンネル
1時50分目覚し1コール起床。手製サンドイッチを食べ2時33分星空の中、MTBで釜トンネルに入る。

0519karasawa.jpg05:56(1987m) 涸沢
横尾着は4時16分出発から1時間40分。暗闇の下り坂でつんのめり前転足を打撲した以外は膝痛も無く順調。
横尾は気温0℃で霜が降りていた。山を見上げると上部は真新しい白色で降雪があったことが確認出来る。ザイテングラートは雪崩れに要注意だろう。雪の状態によっては敗退する心積りをしておく。
横尾でMTBをデポして吊橋を渡り、屏風岩を左に見ながら雪の無い横尾谷を歩くと約1時間で本谷橋付近。ここから一気に雪が増えたが大規模デブリの凹凸があまりに酷くスキーは履かずツボ足で歩く。降雪は無く雪は硬い。
Sガレを過ぎ涸沢が飛び込んで来たところでスキーを履く(写真)。雪はザラメの上に20cmほどの新雪で雪面7cmはモナカ。スキーでモナカを崩しながら涸沢にファーストトレースを残していく。

0519zaiten1.jpg06:57(2267m) 涸沢ヒュッテ
涸沢ヒュッテ着は7時ちょい前出発から約4時間半。ザイテングラードは左手崖からの落雪をトリガに小規模スラフ起きていた。ザイテンにトレースは無くテント場で食事休憩をしながらルートを考える。

0519attack.jpg09:14(2962m) 穂高岳山荘
穂高岳山荘着は9時15分(出発から6時間45分)本日一番乗りだった。ザイテンは中央岩の左脇を直登し上部であずき沢に合流するルートをスキーで登り上げた。上述の点発生スラフが何度か発生したが雪は安定しており足元が割れる事もなかった。
小屋のイケメン兄さんから山頂までの状況を聞くと降雪とクラストで普段より難易度は高いとのこと。特に下りは要注意というアドバイスから、ここで敗退か、ピークを踏んで直登ルンゼを滑るかの選択になった。直登ルンゼは滑走ルートを把握していないため今回は諦めるしかないと判断。
しかし食事休憩をしていると3名、続いて12,3名のパーティが小屋に到着。皆ザイルで確保はするものの、女性、年配の方々も迷い無く登頂準備を進めていた。3名パーティと話をさせて頂くと直登ルンゼを滑るとのこと。かなり迷ってアタックに変更する。小屋に1時間近く滞在し10時を回ってしまったが時間はまだ早い。絶対にアイゼンが外れないように念入りにチェックをしてアタック開始。

0519kyuto.jpg10:17(3014m) アイゼンの前歯で登る氷壁
岩場、クサリ場、ハシゴは3点確保で問題なし。最初の核心部は45度以上の氷壁(写真)。サクサクと登る先行者に習いアイゼンで氷面を2,3回キックして足場を作りピッケルを突き刺し慎重によじ登る。滑落に巻き込まれない様に一定の距離を保った。

10:46(3140m) 直登ルンゼの滑走コース
ピーク手前の岩陰から滑走するコースと停止ポイントを確認する。

0519kyuto2.jpg10:49(3143m) 2つ目の核心部
ここも雪面は氷化しピッケルは2cmほどしか刺さらない。足元が雪崩れる心配が無いのと、刺したピッケルは抜くのに難儀するほど安定するので、確実な動作で危険は抑制出来ると思った。その瞬間恐怖心がスーと薄らいでいく。
因みに自分的には過去最高の核心部だったが、アイスクライミングで考えると低難易度だそうだ。アイスクライミング恐るべし。上には上がある。

0519sancho.jpg10:59(3190m) 奥穂山頂
出発から約8時半今年もこの時期にピークに立つ事が出来た。眺望は先週の槍と同様360度パノラマで素晴らしいの一言。

0519kamikochi.jpg上高地
河童橋から雄大な穂高が一望出来るがそのピークに今自分がいる。

0519jan.jpgジャンダルム

0519yari.jpg槍ヶ岳

0519runze.jpg直登ルンゼにドロップイン
写真撮影、滑走準備など20分ちょっとでいよいよ直登ルンゼの滑走である。出だしは50度近いがスキー滑走に不安は無い。転倒すればヤバイことになるが。

0519runze2.jpg直登ルンゼ
ルンゼは喉でも幅15m近くあり、中部~下部も雪は安定、スラフも起きず雄叫び滑走だった。

0519zaiten.jpg12:02(2156m) ザイテンを振り返る
ザイテンはスラフが増え自分が登ったルートも一部はスラフが通っていた。皆岩壁からの落雪をトリガにしている様に見える。面発生のスラブは無さそう。
ザイテン下部は雪が腐りスキーが重いが直登ルンゼを無事滑走出来たので後はどうでも良くなっていた。涸沢ヒュッテで3名にお礼を言ってブログの名詞を渡しお別れ。本当にありがとうございました。
山頂で分かった事だがこの3名はガイドさんとツアー客2名のパーティだった。HPに山岳ガイド中島さんの連絡先が記載されているので、興味のある方はお問い合わせ下さい。
やま工房(長野県松本市)
http://www.mhl.janis.or.jp/~yamakobo/

0519deburi.jpg12:10(1923m) デブリ
スキー滑走は本谷橋まで。雪は多く切れないが本谷橋付近はデブリ凹凸が酷く難儀しながらの滑走だった。横尾着は13時17分、小休憩、水補給の後、MTBに跨り約1時間で釜トンネルを抜けた。

備忘録
・ザイテンのスラフが増えたのは9時頃から。降雪翌日に登るなら雪の締まった8時ぐらいまでが良い(今回の気象条件の場合 涸沢0℃)
・直登ルンゼはピーク手前でドロップポイントの斜面状況を確認し、ルートを決め、停止ポイントを頭に入れておく

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コメント

  1. kaabe.goro より:

    はじめまして。
    ワンデイで釜トンネルから奥穂高まで往復し、しかも直登ルンゼ滑降とはすごいですね。
    私は今年、3度目の奥穂高で初めて直登ルンゼを滑りました。白出コルからの登りでは数人から「どこ滑るんだ」と聞かれました。無風快晴の絶好の気象状況で、覚悟を決めて滑り込みました。忘れられない思い出です。
    よかったらHP見てください
    https://sites.google.com/a/meizan-hitoritabi.com/hitoritabi/sui-gao-yue-3du-muno-deng-dingde-zhi-dengrunze-hua-jiang?previewAsViewer=1

  2. 管理人 より:

    kaabe.goroさん
    はじめまして、訪問ありがとうございます。
    直登ルンゼは滑り出しが強烈な急斜面で、滑落したら終了ですから緊張しますよね。
    私の時は雪が緩みエッジが利くコンディションでしたので滑落リスクは少なかったのですが、硬い時は判断難しいと思います。達成おめでとうございます!
    HP拝見しましたが北穂からの奥穂直登ルンゼのシュプールは写真に収められて良かったですね。最高の思い出と思いますw
    2012年のこの時は横尾までMTBを使ってますよ。
    昔は人がいない時間帯であれば走れたのですが、現在は自転車禁止の掲示がされ、人が歩かない工事用ルートでも厳しく注意されると聞きましたのでMTB使用は止めました。
    奥穂や槍のワンデイは充実感あるのですが、横尾までの徒歩往復は時間を要し非効率なので、やるとしても数年に1回くらいかな、、という気持ちになっています。