悲願の奥穂→ジャンダルム→西穂周回を達成^^ 興奮と感動そして充実の13時間だった。
■メンバ レッドバロンさん、私
■行程 2016年9月10日(土)快晴、微風、下界30℃
02:56(1169m) 鍋平P
03:23(1091m) 新穂高温泉
04:45(1534m) 白出沢出合
05:31(1864m) 重太郎橋
07:53(2959m) 穂高岳山荘
08:35(3190m) 奥穂
09:45(3163m) ジャンダルム
11:25(2909m) 天狗ノ頭
11:53(2907m) 間ノ岳
12:45(2908m) 西穂高岳
14:25(2378m) 西穂山荘
15:20(2140m) 西穂高口駅 ロープウェイ利用
15:59(1169m) 鍋平P
時間 13時間2分
距離 27.3km
累積標高差 2886m
※西穂→鍋平までの下山時ロープウェイ含む


奥穂⇔西穂間は登山地図のルートが点線で示される難路である。北アルプスには不帰嶮(かえらずのけん)など点線ルートは他にもあるが奥穂⇔西穂間は滑落事故が多くバリエーションルート(登攀装備を用いた登山)に近いと言われ今回ようやくのチャレンジとなった。
事前検討
(1)先に決めておくこと
・日帰りか前泊か
前泊した方が体力的、行動時間的に余裕あり安全だが、コラボ前提とすると2日間の予定が組める人が稀で、予定を組んだら多少の天候や体調不良でも心理的にGoしたくなり、このリスクを避けるべく日帰りとした
・西穂→奥穂か奥穂→西穂か
難所は下りではなく登りで通過するのが基本。この点で後者。また日帰りは早朝出発となるがロープウェイが使えないと行動時間が更に長くなる(0時出発など)
・時期
以下理由で8月後半~9月中旬を設定
12~13時間行動のため日が長い時期
3000m稜線の真夏は午後から天候急変と落雷リスクがあるのでこの時期は避ける
北アルプスは冬が早いので遅くても9月末くらいまで
コラボは登山と山スキーで何度もご一緒させてもらっているレッドバロンさんをお誘いした。2011年に同じルートを日帰りで達成されていることと、2015年からはクライミング(岩登り)を始められ岩スキルが高く心強いこと。
(2)装備
動き易い最低限の装備とし、荷物は少なく軽く、また気温一桁も想定しておく。
ザック: 15リットルの小型
靴: モンベルのトレッキング用シューズ
アウター: ストームクルーザの上下(雨具と兼ねる)
服装: 半そで+長袖、CW-Xタイツ、短パン、皮手袋、ヘルメット、サングラス、ストック、ウエストバック
食料: カロリーメイト、コンビニおにぎり、塩飴、水500ml×2本、ウィダーインゼリー、アミノバリュー系
その他: 標準持参品(ツェルト、ガムテープ、テーピング、薬セット[※]、予備長袖シャツ、予備手袋、予備電池(ヘッドライト、GPS用)、GPS、デジカメ、スマホ、登山地図、ヘッドライト、現金
[※]虫刺され、キズ消毒、痛み止めロキソニン、日焼け止め、虫よけハッカオイル、絆創膏、三角巾
(3)日程
新穂高温泉(3:00)→白出沢→奥穂高山荘(8:00)→奥穂→天狗の頭→西穂→西穂山荘(14:00)→ロープウェイ→新穂高温泉(15:30)
コースタイム 18.5時間⇒12時間30分
ロープウェイ下り最終 16:45
(4)注意したこと
・登山者の落石(混雑時間帯を避ける)
・渋滞による計画遅れとそれによる気の焦り事故誘発
・進退窮まった場合どうするか
・天候急変時の装備(寒い時、暑い時、雷雲発生時)
(5)その他
2011年9月10日 同じルートでのレッドバロンさん報告
4:26 新穂高ロープウエイ駅前スタート
8:46 穂高岳山荘到着
9:35 奥穂高岳山頂到着(出発から約5時間)
10:47 ジャンダルム山頂到着
14:44 西穂高岳山荘到着
15:31 西穂高岳ロープウエイ山頂駅到着(奥穂から約6時間)
16:23 路駐ハイエース到着(トータル12時間)
03:23 新穂高温泉
自宅19時出発、高速で富山IC下車、新穂高温泉を目指す。途中、22時頃レッドバロンさんより新穂高の無料Pが満車の連絡が入る。徒歩30分遠くなるが鍋平Pに変更して22時半ごろ合流。3時出発として23時過ぎ寝袋IN。
2時過ぎ目覚まし起床。激烈な睡魔。眠し!!! しかし天を見上げてスイッチが入った。素晴らし過ぎる星空。普段その存在すら分からない暗い星までハッキリ見える。私は軽くレッドバロンさんは朝からカップラーメンのガッツリ飯して3時ちょい前Goする。
約30分で新穂高温泉着。暗闇ヘッドライトで足元分かり難く濡れもあって歩き難かった。登山届を提出してまずは白出沢出合いまでの長い歩きのスタート。
03:55 右俣林道夏道分岐
話に夢中になって100mほど通過、途中で気づき、引き返して夏道に入った(汗)
04:46 白出沢出合
05:31 笠ヶ岳
05:32 重太郎橋
05:39 長い梯子で白出沢と天狗沢合流点を高巻く
06:12 右側のガレ道を稜線まで登る
06:18 紅味がかったナナカマド
北アルプスの秋近し!
07:03 Bonjour(ボンジュール)
南岳小屋1泊半時計回り周回らしい
06:48 レッドバロンさん
07:14 右端が笠ヶ岳
07:17 ガレは不安定で歩き難かった
07:33 マーキングを外すと更に足元が不安定になる
07:50 稜線近づくにつれ空気が薄くなり脚が重くなった。白出沢は陽が差さないので気温低く(一桁かそれに近い温度)手が冷えた。
7:56 奥穂高山荘
ザイテングラードと涸沢ヒュッテ
奥穂への最初の急登はそこそこの混雑渋滞
08:06 奥穂アタック
08:14 涸沢岳(手前左)と槍ヶ岳(中央奥)
08:28 夏の直登ルンゼ
2012/05/19 17.奥穂スキー(直登ルンゼ滑走、上高地1day)
08:35 奥穂登頂 レッドバロンさんと記念撮影♪
素晴らしき眺望
ジャンダルム
富士山
北アルプスの山々
薬師と黒部五郎
槍ヶ岳
焼岳
上高地を挟み左に霞沢岳、右に焼岳
レッドバロンさんへのコラボ打診は通常前日か早くても1週間前だが、今回は1.5ヶ月前からスケジュール調整させて頂き、ピンポイントで決まった日だった。数日ズレれば台風や悪天という状況での好天ゲット。ツイているとしか言いようがない。
08:55 ジャンダルムアタック
さぁ、いよいよである( ̄ー ̄)ニヤリッ まずは馬ノ背から。
09:01 馬ノ背下り
左右がスパッと切れ落ちたナイフリッジはしびれた。しかし経験値増えたせいか大キレットの長谷川ピークのような足のすくみはなかった。
2013/08/10 25.槍ヶ岳・南岳・大キレット・北穂・涸沢岳縦走登山(時計周りテント泊)
09:06 稜線のアップダウンは落差が激しい
ガッチリ降りてガッチリ登るの連続。落石、浮石も多く気が抜けず神経を使った。
09:22 登ることだけではなく落石にも注意が必要
レッドバロンさんを信用してない訳ではないが、間隔を詰めて真下に付くことに大きな抵抗を感じる私。「ラクッ」の声を聴いて落石への体勢を整える時間だけの車間距離が取りたくなる。レッドバロンさんが先に下る時は一定の距離をおき私の落石を避ける時間的余裕を確保するようにした。
09:25 至近のジャンダルム
写真の壁を登るわけではなく左から巻いて裏側から登る。
09:26 まずは岩壁を登る
09:32 トラバース
左手方向はキレキレだったりする^^;
09:46 ジャンダルム登頂
出発から約7時間で キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! ジャンダルムピーク直前はルートが分かり難く何度かルートミスし修正した。レッドバロンさんはそのまま登り先にゴールとなる。クライミングテクニックで無理なく登れる難易度だったようだ。流石であった。
レッドバロンさん
吊尾根、前穂そして5峰までのナイフリッジな岩稜
槍ヶ岳方向
奥穂方向
赤枠ズームアップ
10:34 天狗のコルへの長い下り
次なる頂き天狗ノ頭に向けてGo!
10:41 このあたりは安全ゾーン
10:54 天狗のコル
天狗ノ頭への取り付きは90度の岩壁
11:04 振り返り
11:04 赤枠ズームアップ
11:14 天狗ノ頭登頂
レッドバロンさん
11:37 逆層スラブ
股の間からこんにちは(笑)
11:46 気の抜けない登りが続く
登り切った地点が間ノ岳2907mだった。スルーして次に進む。
11:56 連続する岩場
それにしてもアップダウンが多い…。
11:59 登っては下り、下っては登る
12:18 さぁ間もなく安らぎの地、西穂である♪
ピークに人だかりが見えるぜよ^^
12:45 西穂登頂
ここまで来れば危険度は通常登山レベルになる。若干安堵^^
レッドバロンさん
12:48 しかし西穂山荘までコースタイム2時間10分と先はまだ長い。西穂山荘からロープウェイ駅もコースタイム1時間。
12:57 シューズのダイヤル破損…
ワイヤーを余りをつま先側に手繰り寄せて写真のようにひと回しさせて対処。
ダイヤル式登山靴
キツく締めると踏み込んだ時にロックが外れる問題が何度も発生。そもそもキツく締め難いという問題もあるので、ダイヤル式は便利だが登山靴には不適な印象。最低でも破損時に靴ヒモで代用出来る構造のものを選ぶべきと思う。
12:58 ついでにグローブ。予想通りの破れでこれは想定内。
レッドバロンさんのグローブはクライミング用で私のよりも皮が厚いが長持ちはしないようだ。指先の黒い部分は自分で修理されたとのこと。
13:20 ピラミッドピーク
レッドバロンさん
14:25 西穂山荘
ソフトクリームで休憩♪
最後の下り。駅まですぐと思ったが30分では着かなかった^^;
15:20 ロープウェイ乗り場
45分まで待ちかと思ったら臨時増発便に乗ることが出来た♪
15:59 鍋平P
駐車場到着。13時間行動、好天、眺望、高難度の登頂、全てで大満足。レッドバロンさんコラボありがとうございました。道中のお話も楽しかったです! またよろしくお願いいたします。
最後に
・危険ゾーンはマーキングルートを忠実にトレースすれば3点確保が可能(ホールドを探す場面はあるが)なので、高度感があっても冷静・慎重に行動出来れば、あとは天候急変(雨濡れでのコンディション悪化)と他の登山者の落石リスクだけと思った
・逆にマーキングルート外すと足元/ホールドが不安定、浮石が増えリスク急増するので違和感を感じたら「進退窮まる前」に正しいルートに戻ることが極めて重要
・マーキングは無いが経験者なら登れるルートがあったり、マーキング自体も数が少なく分かり難いので、ルートをしっかり見極めてから登る意識を強く持つべき
・自信がない場合は今回の私のように小さく軽量に荷物をまとめ、かつ、コンディションの良い日に限定すればより安全になる(ここまでの注意は不要という意見もあると思う)


コメント
お疲れ様でした。大変楽しくブログを拝見しました。今から思い出しても楽しい山行だったことが頭に浮かび、一人でにやにやしてしまいます。しかしブログの内容の豊かさとレポートの正確さに脱帽です。私と違って準備と計画性の高さにも感心させられます。また何処かコラボお願いします。今回、クライミングのテクニックが活かされたことを自覚することができました。少しずつ高めていきたいです。
レッドバロンさん
大変お世話になりました。
難易度が高いと充実感も大きく余韻も長いです^^
現地では目の前の岩に集中していますが、写真で振り返ると恐ろしい斜度を登ってますね。
でも、今回ヤバイと思ったのはジャンダルムの左から巻く場面だけでした(レッドバロンさんは余裕で登って行かれましたが(笑))。ここは今の私レベルでの「確実」なホールドが見つからなかったので潔く正規ルートに戻りました。
クライミング技術がある方は、岩の凹凸に対する手や体の使い方が違いますね。後ろから見ていてなるほどと思うことが多々ありとても勉強になりました^^ またよろしくお願いします!
お早うございます。
今夏の総仕上げでしょうか。。。 ! ?
白出のガレ場〜奥穂〜西穂。。。やりましたね。
私も一度歩いてみたいと思っていますが、今だに夢かなわずです。
レポ 楽しく拝見しました。
奥穂~西穂、お疲れ様でした。
充実の文と写真、拝見しました。
それにしてもあのコースを日帰り周回とは、やっぱり凄い。
実は、私も来週(2回ある祭日のどちらかを利用して)同じコースを計画しているところです。
もちろん、私の場合は日帰りなんてもってのほか。第一に、体力的に厳しい新穂高温泉から穂高岳山荘まで、その日のうちに無事たどり着けるかどうかが問題で、そのために只今テン泊装備を40ℓザックにいかに収めるか頭の中で格闘中です。(どうも無理そうです)
何はともあれ、yamakikoさんとは登山スタイルこそ違え、私色の奥穂~西穂をなんとか楽しめたら思っています。
でも、肝心の天気が・・・。
多摩太郎さん
こんばんは。
総仕上げというほど今シーズンは登ってませんが(汗)、悲願達成でデカイ山行のモチベーションは下がった感が否めませんね^^;
奥穂-西穂間は高難度ですが、ブログの最後に書いた通りマーキングルートを外さなければ3点確保可能でしたので、経験を積んだ方であれば事故無く歩ける印象を持ちました。
ただ、一度の失敗が即終了な世界なので、万全を期してトライすべきと思います。
1up2downさん
こんばんは。
天候にも恵まれ本当に充実した1日でした。
朝ゆっくり起きてTVみてダラダラ過ごすこともありますがエライ違いです^^
西穂→奥穂トライされるのですね^^
来週は天気厳しいですが、秋の3連休は駐車場、稜線ともに混雑するので、時間的余裕もった計画にするとよいと思います。
稜線は標高差のあるアップダウンが多く体力使うのと、垂直な岩壁を腕力で取り付く場面もありますので、ザックは極力軽くが良いと思います。山行まで。
来週私はツールド能登ですが、天気厳しそうだなぁ…。
私が奥穂高岳から西穂高岳経由上高地コースはもう50年前の話です。
新穂高温泉もまだなかったと思います。
ロープウエーは勿論ありません。
槍穂の縦走を何度かしてもいつも前穂経由上高地でした。
一度は西穂高岳経由上高地へ行こうと決めていました。
30代の私が定年近い50代の先輩と行きました。
槍穂の縦走をして奥穂高小屋を朝スタートです。
馬の背、ジャンダルムは私の山人生の最難関コースでした。
コース案内も今とは違います。
夕方上高地に着きました。
3時スタートで日帰り、尊敬します。
くろゆり爺さん
50年前となると、道具の性能や登山道の安全管理などは今と全然違うでしょうから難易度は今以上だったのでしょうね。
またネットから膨大な情報が得られ事前準備や計画が立て易い今と違って、情報少なく収集も難しいでしょうから、リスク考えると奥穂の小屋朝出発が一番妥当な気がします。
奥穂-西穂はやはりいつかチャレンジしたいと思う方は多いのですね。私も3年間くらい温めてました(笑)
今回は1か月前に設定した日に最高の天候となりとても幸運でした。
ツールド能登の雨は、穂高で天候運を使い果たしたからかもしれません(笑)