剣ヶ峰登頂後肩ノ小屋に降りた頃から雲行きが怪しくなり天候が急変。あっと言う間に激風+ホワイトアウトになった。中でも烏帽子岳付近は下り坂にも関わらず後方に押し戻されるほどの超激風、路肩ワイヤーを手繰り寄せないと進めない凄まじさだった。風に巻き上げられた雪が顔に当たり凍傷も時間の問題な感じで恐怖を感じる次元。シーズン初期にいい経験が出来た。
■メンバ 単独
■用具 STIGMA160cm、TLT SPEED、TLT5Mountain
■行程 2012年12月2日(日) 快晴→激風+ホワイトアウト、-5℃(駐車場)-14℃(剣ヶ峰)
03:38(1441m) 平湯トンネル岐阜側P発
05:30(1947m) 夫婦松
09:51(2698m) 畳平
11:02(2763m) 肩ノ小屋
11:53(3025m) 剣ヶ峰(乗鞍岳山頂)
14:43(1441m) 平湯トンネル岐阜側P着
時間 11時間4分
距離 35.8km
累積標高差 ±3543m

家族deカラオケの翌日、山行は乗鞍に決めた。午前中は冷えるが晴れ時々曇りの予報で、予想天気図的にも朝9時は高気圧に覆われ安定しており、こういう日はガッチリ大満足系に限ると思ったからだ。19時過ぎ金沢出発し22時頃平湯トンネル到着。雪が付いていれば時間短縮可能な牧場からの第3尾根と思っていたがまだ不十分。ヤブ地獄にハマリそうだったので乗鞍スカイラインを詰める予定で22時半寝袋に入った。
2時半目覚し鳴るが激しい睡魔に10分以上戦う。長時間山行確実な日にこれ以上の寝坊はマズイと気合で寝袋が這い出た。車内温度計は-4℃車外は-5℃と予報通りの冷えの中、ポットのお湯で水分を多目に取り、パンを食べ3時半スキーを履いてGoする。空に雲は無いが満月に近い月が明るく先週の白山の様な星の輝きはなかった。
04:35(1707m) 乗鞍スカイラン平湯料金所
路面は積雪5cm程度で2週間前からあまり増えてない印象。アスファルトにコツコツとストックの当る音を立てながら歩く。ショートカットは料金所手前の最終コーナー1箇所のみで、ここもヤブ漕ぎだった。
05:03(1818m) 熊の足跡
右の谷から道路を横断し左の沢へ続いていた長さ15cmほどの大きな熊の足跡。もう冬ですよ。すぐ冬眠して下さい!
06:29(2135m) ショートカットルートの積雪
5時30分に真っ暗な夫婦松に到着。前回悩まされた靴擦れも絆創膏を2枚ずつ貼ってきたので兆候すらなかった。夫婦松で予定通りショートカットルートに突っ込む。前日のトレースをあり難く使わせて頂く。
写真は2135m付近の様子。登るには十分な積雪(私の感覚)だが、快適滑走はもうちょい先だろう。
06:50(2232m) 笠ヶ岳
07:17(2332m) 白山
本日チャレンジしている人は何人いるだろう。積雪のためMTBは使用できたとしても市ノ瀬までのはず。
07:55(2431m) 乗鞍スカイライン南側
南側に出ると四ツ岳、烏帽子岳が飛び込んでくる。感動の風景に逆光と知りつつ自分撮影^^ 前日トレースは雪でかき消され踝ラッセルの一人旅が続いた。
08:35(2568m) 四ツ岳と烏帽子岳のコルからの猫岳
猫の雪はだいぶ増えた。もうどこでも滑れるだろう。山頂アプローチは大崩とのコルからも可能になった。さぁ日が当たって体が熱くなってきた。ベンチレータ全開で先を急ごう。ここから更に倍の距離が待っている!
08:47(2609m) 雪庇の発達した烏帽子岳
雪山らしい澄んだ風景。世は満足じゃの世界。因みに帰りの付近はド肝を抜かれる超激風だった。路肩ワイヤーを手繰り寄せて前進する状態。風で飛んだ雪が顔を直撃し凍傷も時間の問題、ホワイトアウトのおまけも付いて恐怖を感じるレベルだった。
08:54(2621m) 四ツ岳南斜面
西斜面は石多いが南斜面はパウダーをゲット出来そうだった。
09:01(2642m) 展望台からの穂高連峰
岳沢そして前穂から奥穂の吊尾根も見事だ。左端に槍も見える。眺望抜群の場所で好天に恵まれた幸運に感謝!
09:12(2648m) 桔梗ヶ原
白山の弥陀ヶ原といい勝負だろう。こちらも白一色の大雪原である。鳥肌を立てない方法があるなら教えてください状態の感動。そして雪煙舞う乗鞍山頂がようやく視界に入ってきた。これは自分撮影するしかないと10分もかけて満足の1枚を撮影する。
10:09(2732m) 畳平と鶴ヶ池
凍った池の上を歩き富士見岳の側面に取り付く。アイゼンはここで装着。ピッケル付きストックとアイゼンは研ぎたてホヤホヤ鋭利な刃物状態である。これなら硬い雪にも容易に食い付くだろう。道具に安心感が持てることは非常に重要だ。
10:57(2778m) 乗鞍岳
コロナ観測所のある摩利支天岳の東面は登山道が完全に雪で埋まり急峻な片斜面を形成していた。ここを膝ラッセルでトラバースする。トラバースに難儀しているとどこからともなく雷鳥が飛んできて私の進行方向に舞い降りてきた。ゴメン写真撮影する余裕無いんですけど。。
トラバースを終えると、いよいよ最終ステージである。手前から朝日岳(2975m)、蚕玉岳(2979m)、剣ヶ峰(3025m)。斜面は所々テカテカに凍り光って見えたが「鋭利な刃物」があれば問題ないだろう。
11:02(2763m) 肩ノ小屋
ここで共に位ヶ原からの登山1パーティ2名、山スキー1名に合流。乗鞍スカイライン料金所で後続の山スキー1名を見て以来である。この時期は天気が良くても乗鞍を目指す人は少ないのかもしれない。特に平湯からは。。
肩ノ小屋からのアプローチは雪が硬そうに見えたが、アイゼンは容易に食い込み、淡々と登るのみで滑落の危険を感じることは無かった。斜面の大半は硬いが吹き溜まったパウダーラインがある。登る際に目星を付けておいて確実にゲットして下さい。
11:53(3019m) 乗鞍山頂手前
雪の硬さに大きな違いはなく、転ばすに登る意識だけで問題なし。
11:58(3026m) 乗鞍山頂(剣ヶ峰)
12時少し前-14℃強風の剣ヶ峰登頂。初冬単独はやはり嬉しい^^ 写真の撮り過ぎと摩利支天岳東面トラバースの難儀で予定より1時間オーバーだったが辛うじて午前中に登頂出来たことも満足だった。山頂は360度のパノラマ。上空に薄い雲があるが視界は良好だった。
北方向には穂高連峰
西方向。白山は雲海から頭を出していた(写真では見難い)
南方向には南アルプスと中央アルプス
10分ほど山頂滞在後、アイゼンのままは蚕玉岳に戻りスキーに履き替え滑走開始。ガリガリは快楽封印して慎重に、目星をつけていた吹き溜まりで今シーズン初のプチパウダーをゲットした^^ プチでもパウダーは気持ちいいですね!
スキー滑走後は試練の登り返しとコギコギスキーのスタート。そしてこの後、急激に天候が悪化しホワイトアウトを食らうことになる。丁度、摩利支天岳のトラバースの最中だった。とにかく真っ白で視界が無い。斜面が傾斜しているかも足探り状態、トラバースはあとどれくらいの距離か、方向があっているのかすら分からなかった。斜面をこのまま進めばいいはずと信じて抜けると、富士見岳の西面を凹凸不明の中、足探り状態で慎重に滑走した。畳平からは疲れた体に試練のコギコギこれが桔梗ヶ原まで続き、四ツ岳手前では超激風さらに風に飛ぶ雪が顔に鋭く突き刺さった。単独かつ後続もいない中、気持ちに余裕を持ちながらここまで来たが、この超激風にはド肝を抜かれ恐怖を感じた。やはり山は侮れない!!
13:36(2484m) 猫と四ツ岳のコル付近でようやく視界が良くなった。依然としてコギコギが続くがもう間もなくジェットコースターで楽が出来る。
14:07(2058m) ヤブスキー
2週間前よりも格段に雪が増えたもののヤブに足を取られる事も多かった。しかしヤブスキーは楽しく最後の最後まで満喫の山行となった。
時間 11時間4分
距離 35.8km
累積標高差 ±3543m
備忘録
・平湯からの乗鞍は平湯-四ツ岳の倍の距離。時間を要するので早立ちがMUST。
・ラッセルが深いと1dayは厳しいので四ツ岳南面でお茶を濁すのがよい。
・肩ノ小屋-桔梗ヶ原間はフラットで帰りもコギコギである。ジェットコースターで楽は出来ないので体力を残しておく。桔梗ヶ原から猫も積雪次第ではコギコギである。
・今回の激風、時間的な余裕や装備上の不安によっては冷静な行動が取れなかった可能性もある。帽子や手袋の予備、ウインドブレーカ、ツェルトなどの「お守り」が気持ちの安定に役立つことが確認出来た。


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