山スキーでは2回訪れている荒島岳。いずれもシャクナゲ平から小荒島岳(1186m)そして一のカラ谷を滑っており山頂に立ったことはなかった。そこで今回1523mの登頂を計画。核心部は山頂尾根取り付きの急登と思われたが、その先から発生したホワイトアウトの平坦尾根往復が真の核心部となった。
■メンバ 単独
■用具 freeride164cm、ディアミール、ガルモントアドレナリン
■行程
2011年1月22日 下部おだやかな雪、上部雪・強風・ホワイトアウト -2℃~-8℃
05:20 アパート出発
06:50 勝原スキー場着
07:20( 350m)勝原スキー場
08:00( 670m)ゲレンデトップ
08:55(1015m)1015mピーク
09:40(1172m)シャクナゲ平-荒島岳のコル
11:05(1523m)荒島岳山頂
12:20(1172m)シャクナゲ平-荒島岳のコル
13:15( 670m)ゲレンデトップ
13:30( 350m)勝原スキー場
距離 10.9km
時間 6時間10分
累積標高差 ±1581m
前夜はサッカーアジアカップ(日本対カタール戦)を見てしまった。開催国との対戦(完全アウェイ)、吉田途中退場で一人欠く中での逆転勝利。香川もようやく結果を出せて次に繋がるとてもいいゲームだった。…ということで就寝は1時となる。眠い目を擦りながら5時に起床し国道157より福井県の勝原スキー場を目指した。
6時50分現地着。道路脇の空きスペースに駐車する。気温は-2℃と暖かだが勢いよく雪が降っており上部はガスで見えない。コンディションは良くは無いが雪の多い今シーズンはこんなもんでしょう。
写真:登山口からの勝原スキー場。
8時0分670mゲレンデトップ
前日のトレースに沿ってブーツラッセルし40分でゲレンデトップに到着。ここから疎林の尾根に入る(写真)。
10時12分1299m核心部の急登
シャクナゲ平は踏まずその手前1182m付近でコルにトラバース。9時50分に核心部の急登に取り付く。風を受ける斜面はモナカでくるぶしまで、風を受けない斜面は雪が柔らかく膝まで沈んだ。硬ければスキーをデポしてアイゼンも想定していたが結局尾根上部までスキーで登り上げた(10時35分1395m)。
11時5分1523m荒島岳山頂
出発から3時間45分、急登取り付きから1時間15分を要した。山頂は気温-8℃、強風だが猫岳ほどではなく気持ち的に余裕があった。
今回最も緊張したのは尾根上部から山頂までの木の無い平坦な尾根だろう。何の危険もなさそうな尾根もホワイトアウトで一変する。左手の雪庇に注意を払い十分な距離を保っているつもりが地形の変化で知らずに近づいてしまいヒヤリとした場面あり。真の核心部。危険度高し。
こういう日の長居は禁物である。写真を撮ったらすぐ下山。まずは視界が回復する尾根上部までの平坦な尾根をシールのままカニ歩きでいく。滑れば一瞬の斜面を登りと同じ時間をかけて慎重に下った。
尾根上部からは急斜面だが視界がよければこっちのもの。ここでシールを剥がす。木も多く雪の状態からも滑落の危険は少ないが、万全を期して斜滑降と横滑りで降りた。そして12時20分コルに到着ホッと一息をつく。
12時32分1066m疎林尾根
コルからはトラバースし登りのトレースに合流(写真)。ここからは尾根伝いに高度を下げることとなるが1000m付近で右手側に痛恨の方向ミス。シールを貼っての登り返しを余儀なくされた。
この尾根、1056m~950mは幅が広く方向ミスし易いので要注意である。また970m付近には尾根の分岐があり左に進まなければならない。新雪をと欲張らず、登りのトレースが視界に入る位の距離感で滑るのが正解かもしれない。
13時18分630mゲレンデトップ付近
気分良くパウダーを頂き13時30分無事登山口に到着。長い山行を終えた。
距離 10.9km
時間 6時間10分
累積標高差 ±1581m
備忘録
・山頂手前は木が少ない(雪で埋没)。ホワイトアウトすると方向感覚や雪庇との距離感が掴み難い
・ホワイトアウトの中では現地確認を頻繁に行う(簡単にルートミスする)
・シャクナゲ平から勝原スキー場への標高1056m~950mまでは尾根が広いため下山時は方向ミスし易い
・山頂がガスで見えない時はホワイトアウトの可能性があるのでGPS所持でも山頂アタックは控えた方が無難
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