新穂高温泉を起点に飛騨沢からの槍ヶ岳ピストンで13時間半のロング山行を満喫。無料駐車場-白出小屋間の1時間50分の平坦路はスキーとブーツを背負っての単調な歩きで精神的に辛かったがが、快晴、無風とコンディションはバッチリで穂先からは遠く富士山、白山を含む壮大な360度パノラマを激堪能することが出来た。標高3180mは高い!
■メンバ 単独
■用具 STIGMA160cm、TLT SPEED、TLT5Mountain
■行程 2014年5月11日(日)晴れ、山頂5℃
03:05(1055m) 無料駐車場
03:21(1110m) 新穂高ロープウェイ
04:50(1539m) 白出小屋
06:22(1751m) 滝谷避難小屋
07:29(1977m) 槍平小屋
10:31(2993m) 稜線
11:19(3180m) 槍ヶ岳穂先着
11:37(3180m) 槍ヶ岳穂先発
12:47(3092m) 下山開始
13:13(2023m) 槍平小屋
13:25(1804m) 滝谷避難小屋
14:01(1605m) スキー終了
14:50(1551m) 白出小屋
16:27(1124m) 新穂高ロープウェイ
16:40(1063m) 無料駐車場
時間 13時間34分
距離 33.2km
累積標高差 ±2652m

この時期スキーが出来る山は限られる。白山系は百四丈滝、別当谷、東面台地を滑ったので行くとしたら湯の谷、それと白馬か穂高周辺で悩んでいた。湯の谷と白馬は昨年滑っているので優先度は下がる。となると穂高周辺。上高地からの奥穂や槍は満喫間違いないのだが自転車規制云々がありMTBを使わないとなると横尾までの歩きは非効率かつ退屈なので却下せざるを得ず、新穂高からのアプローチに絞り、一度歩いて見たかった飛騨沢からの槍ヶ岳に決めた。
ネットで情報収集すると、新穂高から白出沢までの右俣林道に雪は無し。スキーが履けるのは滝谷付近(1750m)、下山時は頑張れば1500mまで滑走可能なようだ。心配なのは金曜に降ったという雪の影響。念のため槍ヶ岳山荘に電話すると、新雪は10cmで場所によっては吹き溜まりが50cm以上とのこと…。50cmと聞くと雪崩リスクが高くなるが、土曜は風が強く上部では雪が飛び氷化斜面がむき出しになっているらしく、飛騨沢はおそらく大丈夫なので現地判断とし、あとはチビ谷、ブドウ谷から右俣谷への雪崩、飛騨沢での滑落と落石、そして穂先アタックでの滑落を要注意点と認識する。
04:41 林道の雪は白出まで皆無
前夜自宅発は21時過ぎ。現地着は23時を回っており3時間仮眠し3時過ぎに無料駐車場を出発する。水はハイドレーションで1L、林道歩きが長いので登山靴を履き、スキー靴はザックの板に履かせ、穂先アタックで使うピッケルを括り付けると、ザックは肩に食い込む夏山テント泊の様な重荷となった。
05:50(1600m) 雪はだいぶ繋がってきた
熊鈴を響かせ林道を歩く。穂高平避難小屋のS字をカットして激ヤブ(東面台地の取り付きレベル!)に嵌る大失態にもめげずに只管歩き1600m付近でようやく写真の雪となる。この付近に金曜の降雪は見られずブドウ谷のデブリも危険は無かった。勿論右俣谷を完全に堰き止める膨大な雪量なのは例年同様ではある(チビ谷も同様)。
06:39 滝谷避難小屋
ここで大休止。食べて飲んで登山靴からスキー靴にチェンジ。雪は硬くツボ足は全く沈まないのと、飛騨沢の急登はアイゼンだろうからスキーは履かずアイゼンで歩くことに。登山靴をデポしさぁ出発。
(この先も長いので滝谷でヤブがなければスキーで歩いた方が断然楽です!)
07:26 槍平小屋
硬い雪にアイゼンの歯跡のみ。勾配は緩く歩きは楽だがとにかく長い! 谷なので景色が良い訳もなく忍の雪上散歩が続いた。無料Pからここまで4.5H、この先穂先まで4Hの計画に対しオンスケジュール。さぁ後半戦です。
08:01(2064m) 中の沢
上部の山は中岳である(たぶん。GPS軌跡からすると大喰沢ではないはず)。このルートも面白そうだが、長い平坦路を歩いてまで登りたいと思えるのは数年先だろうか…。
08:43(2315m) 飛騨沢
さぁいよいよ飛騨沢である。飛騨乗越(稜線)3000mまで標高差700mのガンバである。斜面には左右対称で途中停止の無い見事な小回りターンが永遠に続いていた。相当な達人であろう。
08:43 振り返ると
遥か彼方の白い山は乗鞍か? 右手前のトンガリは低そうに見えて2439mの奥丸山。
10:04(2824m) 蜃気楼な飛騨沢の稜線
登っても登っても着かない…。傾斜が増し雪は更に硬くなるがアイゼンが噛むので不安は無かった。ふと我に返ると実はリスキーという気もしたが。。
10:04 振り返り
ここまでですれ違ったのは、単独女性登山者1人、2人パーティ登山者(写真)のみであった。歩きも長いし途中に営業中の小屋も無いので無理もないか。
10:45 槍ヶ岳山荘手前
10時半にようやく飛騨乗越。最後の急登は疲れたぞ! 左の丘を登ると穂先が現れた(写真)。眺望抜群、風も無く暖かで今なら間違いなく穂先アタックが出来る! 山の気が変わらないうちに急げとテンションが上がった。
10:49 槍ヶ岳山荘
ザック類をデポしウエストバックとピッケルで穂先アタック!
11:25 穂先登頂
8時間ちょいで穂先登頂。繁忙期は大渋滞のアプローチに人は無くマイペースで登行出来た。雪は適度に柔らかく登り易い。滑落で人生終了でなければサクサク登ってハイ登頂という斜度だが、高所恐怖症の私は足がプルプルの亀野郎と化した。ウィペットはハシゴやクサリで邪魔になると思い2本ともデポしたわけだが、氷壁登行ではダブルがやはり安心である。この時期なら次回からはウィペットのダブルアックスかなぁ。穂先は圧巻の360度パノラマであった。日本標高第5位3180m!
富士山
焼岳・乗鞍
槍ヶ岳山荘、笠ヶ岳、白山
西鎌尾根と双六岳、三俣蓮華岳
鷲羽岳、水晶岳方向
北鎌尾根
常念岳
大天井岳
12:19 小屋テラスからの槍沢
穂先からは緊張の後ろ向き下降。さほど急でない斜面も滑落終了と思うと体が強張った。小屋に戻りホッと一息。写真はテラスからの槍沢である。登山者は殆どおらずひっそりと静かだった。この時期ならではの落ち着きのある風景に心が癒される♪ 金曜の雪の影響は感じられなかった。
テラスでは三重県鈴鹿からの単独登山者ひかるさんとお話しさせて頂く。上高地からの2泊3日のノンビリ山行で穂先を前にアタックするか考え中とのこと。岩もやるそうだがロープで確保するのとしないのとでは緊張感が大違いなのだそうだ。
(ブログのリンクを貼らせて頂きました)
12:56 千丈沢乗越の少し下に発達した巨大雪庇
12:47に下山スキー開始。雪は緩み条件は良いのだが脚の疲労が大きいのであった…。納得のターンが出来ず絶好の斜面にもどかしい思いをする…。
13:01 ヘロヘロなズラシスキー
13:05 右俣谷をどこまで滑るかが勝負!
飛騨沢下部から雪重し! 直滑降でも断続的にブレーキがかかる悪雪と化した。
13:06(2280m)
13:18(1925m) 槍平小屋の先より進行方向
13:38(1730m) もうちょい滑るぜ
滝谷避難小屋で登山靴を回収し再び滑走開始。行けるところまで楽をさせてもらおう、、、と思いつつヤブスキーはシンドイものがあった。スキーは14時、1600m点で脱いだ。
14:15 右俣谷のフキノウ♪
レッドバロンさん、天狗蔵さんから伝授されフキノトウは見分ける目を養った。前回は湯がいた後、しょうとやポン酢、妻アレンジ料理で食べたが今回は定番の「てんぷら」にする予定 ̄ー ̄)ニヤリ
14:15 本日の収穫
フキノトウを収穫しながら右俣谷を歩き、適当なところで夏道に合流する。その後は白出小屋でお会いした京都からの単独登山者と無料Pまでご一緒させて頂き、おかげで約2時間の果てしない歩きが有意義な時間となった。ありがとうございました。
無料P到着は16:40。登り8時間、下り4時間、コミコミ13時間半のヘロヘロ山行が終了。今回もドボドボと溢れ出る満足感であった^^ 残雪期山スキー万歳!
メモ
・白出沢までの林道は1時間半~2時間コース。荷は重くなるがスキー靴を担ぎ登山靴で歩いた方が楽
・ブドウ谷、チビ谷からのデブリは凄まじいスケールだが日がたっており危険はなかった
・飛騨沢を含めて落石は一度も無し
・飛騨沢上部は急勾配でアイゼンが効かないと滑落リスク大。ルート上に岩の露出は無く勾配は徐々に緩くなるので滑落しても生死にかかわることは無い感じ(個人的感想)
・穂先は雪のコンディションより慎重にアタックの判断をする


コメント
お早うございます。
相変わらず健脚ですね。! ! 下山はスキーで。? ?
槍の穂先は最高でしょうね。
憧れの槍ですねー。
滑りは楽しめたのか、どれほどの危険度か興味津々です(^^)
お疲れさんでした。穂先からはホントに絶景でしたねー!
稜線でお世話になりました鈴鹿のひかるです。アハハ
それにしても日帰りだったんですね。あっしなんか二泊三日でっせ。
スキーで滑り降りる山紀行さんを恨めしく見つめてましたよ。。。
快晴の槍ですか!
飛騨沢も、槍平から上は楽しいのですが、下は長いので結構苦痛ですね。
1月に行ったときは、肩の小屋から板履いて、滑れましたよ。
槍平から下は苦痛でしたが…。
今年は多忙のため、GWで板納めとなりました。
鳥海山から2本。矢島口と、湯の台から。帰りに、月山よって帰ってきました。
3日連続で登ったので、余裕がなかったのですが、現地で聞いた情報によると、「法体の滝」ルートが実に面白いようです。
七高山から渡渉点まで標高差1620Mとなかなかのコースみたいです。
この時期の槍は、私も考えていました。途中のデブリは大丈夫でしたか。沢から相当の雪が押し寄せているのでは。
今年は、槍方面も雪が少なかったのでしょうか。
ちなみに、私は、白馬鑓ヶ岳でした。そういえば槍の山頂の週末山紀行さんが見えた気がしました。^^
大出原の滑降も最高でした。飛騨沢には負けそうですが。帰りに「フキノトウ」を摘んでいるのがうれしいですね。天ぷらおいしかったようですね。
2週連続の豪快な山行、お疲れ様~。
私も、高所恐怖症です。(笑)
飛騨沢はオールアイゼンでしたか?
この時期は下界はポカポカ陽気ですが、なかなか雪が緩まないみたいですね。
これからシーズン最終盤に向けて滑落の恐れが高まりますから気を付けて下さいね。
多摩太郎さん
穂先からの眺望は最高でした。
3180mはやはり高いです。
でも柔らかくなったとは言え穂先の氷壁は
恐ろしいですね。
スキーは標高1600mくらいまで滑れましたが
その先の歩きが長すぎて精神的に辛かったです…。
よすあきさん
今回の場合ですが、
・落石は一度もなし
・雪崩リスク低い
・滑落リスク低い(アイゼン前提)
・スキーは槍平小屋あたりまでは快適。その先は漕ぎ中心かな。
・穂先は鎖やハシゴが生きてるので3点確保出来ますが、柔らかくなってるとは言っても氷壁は恐ろしかったです。アイゼンは必須ね。
よすあきさんなら余裕ですよ。
ただ新穂高-白出間の往復は板とブーツを担ぐと肩に食い込む重さで勘弁して状態になるでしょう。ある意味ここが核心部かも。
ひかるさん
先日はお世話様でした。
穂先も無事踏めたみたいですね^^
この日は全国的に気温が高かったようで、
登行時は雪が適度に柔らかく登り易かったのですが
下山スキーでは気持ち良く滑れたのは飛騨沢の途中までで、
その先からは重い湿雪で苦労しました。
太ももがぁ~の世界です(笑)
ブログたまに遊びに行きますので今後ともよろしくお願いします!
キムキムさん
今シーズンは仕事が忙しかったみたいですね。
でも忙しい中、時間を工面して行く山もなかなかよいものですよね。
行けないストレスの方が圧倒的に大きいかもしれませんが(笑)
GWは鳥海でしたか。
先日鳥海の報告をサーフィンしたのですが、実にいい山ですね~。
仙台帰省のタイミングで、出来ればSeaToSummitで登頂したい思ってますが。。膝が持つかな。。
レッドバロンさん
仰る通りデブリは押し寄せてますが、何日も前で既に硬くなっているものばかりでした。
全く問題ない印象です。
フキノトウは天ぷらでした ̄ー ̄)ニヤリ
春の味満喫! でした。いいですねぇ。残雪期の新しい楽しみを発見させて頂きました。
山菜は次のステージにステップアップしたいです。
フキノトウとこごみゼンマイしか知識ないので
また宜しくお願いします。
天狗蔵さんは有峰林道開通初回週末に薬師行くのですかね? レッドバロンさんは都合悪いのは変わり無しですか?
いくなら梅さんも一緒にコラボしたいです。
ついでに山菜もお願いしたい。。
ドロップさん
ドロップさんも高所恐怖症でしたか(笑)
私の場合、3点確保出来れば気持ち的に何とかなるので
逆に安全山行に役立ってるかなぁという気もしてました。
じれったいことも多々ありますが。
飛騨沢は稜線近くまでスキー登行OKですよ。
今回は結局一度もシール歩行しませんでしたが、
ザックがとても重かったので滝谷避難小屋からスキーを履くべきでした…。